資産運用を継続することの難しさと大切さ<月次レポート2019年8月より>
2019年08月07日(水)
皆さま、いつもありがとう投信をご愛顧いただきまして誠にありがとうございます。梅雨明けし連日うだるような暑さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか?体調管理には気を付けてくれぐれもご自愛ください。
さて、先月は、米国で10年半ぶりに0.25%の利下げが実施されました。いち早く金融緩和の出口に向かって利上げを継続していたFRBですが、景気後退懸念や米中貿易摩擦の影響で景気下振れリスクに対応しての政策調整との位置付けでの利下げでした。欧州など米国以外の国・地域でも金融緩和の方向に舵を切り始め、市場は利下げ、金融緩和期待を織り込んで株高、金利低下が進んだ1ヶ月になりました。日本においては金利差から円高が進み、株価は総じてボックス圏での値動きとなりました。また、日本では7/21に参議院選挙が行われましたが、事前の予想通り与党の勝利となり現状維持となりました。選挙前に懸念された老後2000万円問題や消費増税なども選挙の大きな争点とはならず、あまり関心が高まらないままの低投票率の選挙になりました。
8月に入って、足元、米国トランプ大統領が対中関税第4弾を発動したことにより、金融緩和期待による楽観的な見通しから一転して、リスクオフ相場になり株式市場は大きく調整するとともに、為替はドル円・ユーロ円ともに大きく円高に振れています。同関税の影響は米中両国にとって大きなものとなるとともに、日本企業にも大きな影響を与えると見込まれていますので今後の動向に注意が必要であり、金融緩和期待ムードの反動もあり、しばらくは不安定なマーケット展開になると思われます。
いつものことですが、マーケットは様々な要因で上昇したり、下落したりします。米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題、日本における金融緩和の副作用など、先月から大きなリスク要因はほとんど変わっていません。楽観ムードが続くともっと上がるのではないかと期待が高まり、大きな下落が続くともっと下がるのではないかと恐怖心が大きくなります。テクノロジーの進歩により瞬時に情報が世界を駆け巡り、高速取引の影響もあり、マーケットは、上昇相場も下落相場も以前より増幅されて行き過ぎる傾向があります。
現在は情報過多の時代と言われますが、ITの進歩によりいつでもどこでも情報が得られるようになり、いいニュースも悪いニュースも瞬時に伝わり、その度に一喜一憂していたら長期で資産運用を続けていくことは難しいと思います。資産運用は始めるよりも、継続していくことが難しいと言われています。特に相場がある程度上昇してから始めた人は大きな調整が来て価格が下落して評価損になると怖くなって止めてしまう人が少なくありませんが、これでは結果的に高く買って、安く売ってしまっていることになり、投資成果を出すことは難しいでしょう。
時間分散投資にリスク分散効果があるのは、このような下落局面でも投資を継続していくことによるものです。下落した安い価格で購入することができるので、結果的に取得価格が平準化してリスクを低減することができるのです。
マーケットタイミングを計るのは難しいので資産運用は長期で考えれば上昇局面から始めても下落局面から始めてもスタートはどちらでもよくて、大切なことは資産運用を継続していくことです。皆さまの資産運用の目的は日々のマーケット動向によって変わるわけではなく、皆さまが生きていく限り、一生涯資産運用は続いていくものなので中長期的な視点で考えて継続していくことが大切になります。
短期的にはマーケットは色々な要因で価格が変動しますが、長期的に見れば世界経済の成長や企業の利益成長などファンダメンタルズに基づいて価格変動が説明できると考えられています。
足元、世界経済の成長率は減速していますが、世界経済は景気循環による景気拡大と景気後退のサイクルを繰り返しながら成長を続けており、今後も世界の人口増加による生産や消費の増加、イノベーションによる生産性向上を成長のドライバーにして世界経済は成長していくと考えられています。そして、その恩恵を享受できるように大きな流れに沿って国際分散投資で投資先を厳選して資産運用を続けていくことが大切になってくると考えます。
弊社では今後も引き続き、世界経済の成長の恩恵を享受すべく、株式を中心に景気動向にあまり左右されずに持続的に安定的に利益成長していける質の高いビジネスを展開している企業を厳選している投資先ファンドに国際分散投資することにより、相場下落局面でのダウンサイドリスクを抑えながら長期で安定的な運用パフォーマンスを目指して参ります。
また、お客様の資産運用を一生涯サポートする仕組みとして、毎月継続して積立投資をしていく定期積立サービス、退職金などまとまった余裕資金を時間分散して購入できる分割購入サービス、そして、リタイア後に計画的に運用資産を取り崩していく定期換金サービスをという仕組みを整えており、ありがとうファンドを通じて長期・積立・国際分散投資を実践し、資産運用を継続していけるようになっています。
これからもお客様の資産運用を一生涯サポートしていけるように、役職員一同、力を合わせて精進して参りますので、今後ともありがとう投信を何卒よろしくお願い申し上げます。
ありがとう投信株式会社
代表取締役社長 長谷俊介
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