マーケット動向・ファンド運用状況 <月次レポート2018年4月より>
<3月のマーケット動向>
3月のマーケットの動きですが、昨年一本調子で上昇してきたところからの調整が続き、低調なパフォーマンスの1ヶ月になりました。
序盤では、トランプ大統領が鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を発動する方針を表明したこと、国際協調派のシンボル的存在であったトランプ政権の経済顧問コーンNEC委員長が辞任を表明したことなどから、世界的な貿易摩擦が懸念されて値を下げる展開になりました。
中盤やや持ち直すも、後半にかけて米国が中国に対して知的財産権を侵害しているとして関税を課す大統領令に署名したこと、逆に中国からの報復の準備があるなど発表されたことから、両国間の貿易摩擦激化が懸念され、また値を下げる展開になりました。日本株式市場は、国会で森友学園問題の追及が続き安倍内閣の支持率が急落し、アベノミクスの継続性への疑問が呈されたことにより、一ヶ月を通してやや値の重い展開になりました。
【米ドル円、ユーロ円推移】2018年2月28日を1として指数化
※ ファクトセットよりデータを参照し、弊社にて指数化しております。
【主要株式指数推移(配当込、現地通貨ベース)】2018年2月28日を1として指数化
※ ファクトセットよりデータを参照し、弊社にて指数化しております。使用している指数についてはページ最下段の注記を確認ください。
世界同時株安の中、日本株が相対的に下振れているように見受けられます。森友学園問題の影響が大きかったと考えます。
<ありがとうファンドの運用状況>
ありがとうファンドの3月月間騰落率は3.7%の下落となりました。世界株式市場の市場平均より下げる低調な結果になりました。米国株式を主な投資対象としているキャピタルICAとエマージング株式市場を主な投資対象としているコムジェスト・エマージングファンドがやや低調だったことなどがマイナスに寄与しました。
3月中の売買状況については、売買を見送りました。
【資産配分(2月末)】
【ポートフォリオ(3月末)】
※「年率複利」は、過去の実績値であって将来の成績を保証するものではなく、またお客様ごとの購入時期によって運用結果は異なります。「年率複利」と「標準偏差」については、ありがとうファンド設定来(2004年9月1日)からのデータを基に、弊社にて計算しております。参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
<今後の見通しについて>
今後の見通しについては、北朝鮮問題など一過性のイベントはあるものの世界経済は引き続きリーマン・ショックからの回復・成長が続くと考えています。ファンダメンタルズの改善に基づいた企業利益の成長がより注視される市場になるでしょう。下図ではリーマン・ショック前からの4国・地域のEPS(1株当たり利益)の水準をまとめました。足元5年ほど低迷していたエマージング市場とヨーロッパ市場は底を打ち活気を取り戻しはじめたように見えます。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、EPSは2007年1月末を1として指数化し2018年3月末までの推移
<今後の運用方針について>
株式市場という観点から足元の状況を考えると、リーマン・ショック後各国・地域は量的緩和などの金融緩和で各々の経済・市場を支え世界的にカネ余りの状況が続いています。リターンを求めてやや過熱感のある市場も出てきました。このような環境下では一つの市場だけに投資することはリスクが高く、特定の市場に過度に偏ることなく幅広く分散投資することにより長期的に持続性のあるリターンを享受できると考えております。ありがとうファンドでは、世界経済の成長をグローバル市場で競争力のある企業の成長に沿った形で享受できるよう、国際分散・厳選・長期投資を継続していきます。
アクティブファンドというと上昇局面で大きく稼ぐといった様な派手なイメージが強いと思いますが、ありがとうファンドでは上昇局面で無理に上値を狙うといった運用よりは市場全体が下落する局面にて市場相対で下げ幅を抑制することにより結果的に長期で安定したパフォーマンスを提供できると考えております。その源泉としては、①実績のある投資先ファンドによる成長企業の厳選、②国・地域別資産配分の見直し・調整、③金ETFなど株式市場と相関が低い資産を組み入れることによる資産分散を主に考えております。下図はあくまでも参考までにですが、上昇局面では90%ほど市場に追従し、下落局面では下落幅を抑制した場合のバックテスト例になります。ダウンサイドリスクを抑制することにより、長期で価格変動リスクを抑えながら運用パフォーマンスを向上できたことが確認いただけると思います。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、株価は1987年年初を100として指数化し2017年9月末までの推移、注:上昇・下落局面は月次騰落率ベースで判断。平均年率パフォーマンスと標準偏差についても月次ベースのデータから計算
<投資先ファンドの状況について>
月間騰落率についてはコムジェスト・エマージング、キャピタルICA、コムジェスト・ヨーロッパ、アリアンツ・ユーロランドファンドが参考指数(円ベース)に対しアンダーパフォームし、ありがとうファンドの基準価額下落の主な要因となりました。
一方、アリアンツ・ユーロランド、コムジェスト・ヨーロッパファンドについては、年間騰落率では市場平均に対しアウトパフォームしており、今まで上昇を牽引していた成長銘柄がこの度の世界同時株安相場で相対的に大きく調整したように見受けられます。
ありがとうファンドでは企業利益を持続的に成長できる質の高いビジネスモデルを持つ企業に投資するファンドを厳選しています。株式市場は過熱気味だったため調整相場に転じましたが、世界経済の回復・改善が続く中、しっかりした成長ストーリーのある企業の株価は過熱していた株価の調整を乗り越えると考えております。
ありがとうファンドでは外国株の保有比率が高くなっており、皆様のあまり親しみのない企業が多くあると思います。そういった外国企業の今後の成長ストーリーなどをセミナーでわかりやすく紹介していますので、是非セミナーに参加検討いただけると幸いです。
【月間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【年間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
<投資先ファンドの運用パフォーマンス>
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【本文で使用している指数の注記】 騰落率は、FACTSETよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
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【欧州株】→MSCI ヨーロッパ トータルリターン
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