マーケット動向・ファンド運用状況<月次レポート2017年7月より>
<6月のマーケット動向>
6月のマーケットの動きですが、年初から世界株式相場を牽引してきたIT銘柄などの成長株(グロース株)が売られ、銀行株などの割安株(バリュー株)へ資金が移った相場でした。
月間の騰落率としては、TOPIX(配当込み)は2.96%の上昇、米国S&P500(配当込み)はドルベースで0.62%の上昇、欧州MSCIヨーロッパ(配当込み)はユーロベースで2.46%の下落、新興国MSCIエマージング(配当込み)はドルベースで1.07%の上昇となりました。
為替相場は月末時点で、米ドル/円が112円台前半、ユーロ/円は128円台前半となり、前月末比では共に円安にふれました。
欧州株式市場は月後半軟調に推移していますが、ユーロ高の影響で、円ベースでは前月末比プラス圏で月を終えています。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、(上図)2017年1月1日(下図)2017年5月31日を1として指数化
<ありがとうファンドの運用状況>
ありがとうファンドの6月月間騰落率は1.6%の上昇となりました。投資先ファンドでは、ABエマージング・エクイティとABエマージング・マルチが各種参考指数(円ベース)に対しアウトパフォームし、ありがとうファンドの基準価額上昇に貢献しました。
6月中の売買状況については、国・地域別配分新基準値への変更に向けて、コムジェスト日本株式ファンドとキャピタルICAファンドを一部売却しました。キャピタルETOPファンドについては、同様の戦略であるABエマージング・マルチファンドとのパフォーマンス・信託報酬の水準などを鑑みて、全売却しました。また、アリアンツファンドへのスイッチングに向けて、コムジェスト・ヨーロッパファンドを一部売却しました。
※「年率複利」は、過去の実績値であって将来の成績を保証するものではなく、またお客様ごとの購入時期によって運用結果は異なります。「年率複利」と「標準偏差」については、ありがとうファンド設定来(2004年9月1日)からのデータを基に、弊社にて計算しております。参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
<今後の見通しについて>
今後の見通しについては、トランプ大統領の動向に一喜一憂するのではなく、あくまでも長期投資の視点からファンダメンタルズの改善に基づいた企業利益の成長に沿った成長銘柄が見直される相場になると考えております。下図では、リーマン・ショック前からの4国・地域のEPS(1株当たり利益)の水準をまとめました。足元5年ほど低迷していたエマージング市場と、ヨーロッパ市場は活気を取り戻しつつあります。こういった大きな流れはトランプ相場と言われる流行ものではないと考えております。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、EPSは2007年1月末を1として指数化
<今後の運用方針について>
今後の運用方針についてですが、世界経済はBrexit、トランプ大統領の選出、イタリア国民投票の結果などを見るに、保護主義・ポピュリズムが台頭するなど、大きな変革期にあるように見えます。株式市場という観点から考えると、リーマン・ショック後、各国・地域は金融緩和で各々の経済・株式市場を支えて、各市場同じ方向に動く局面が多く見られましたが、保護主義が色濃くなってきた昨今では、ある意味各市場同士の相関が薄れ、分散効果が見られるようになってきました。このような環境下では、一つの市場だけに投資することは非常にリスクが高いと考えますので、特定の市場に偏ることなく幅広く分散投資することで、長期的に持続性のあるリターンを享受できると考えております。その点、ありがとうファンドでは引き続き国際分散を推し進めることにより、世界経済の変革期に対応していきたいと考えております。
また、投資対象のファンドという観点からは、去年後半から金融関連銘柄といった景気敏感株の株価上昇が目立ちましたが、当ファンドではあくまでも長期投資を前提とし、長期で企業利益成長が見込まれる銘柄を発掘するファンドを厳選して投資を続けていきたいと考えております。投資対象国・地域についても、上記のEPS推移が示しているように、長く低迷していたエマージング市場、ヨーロッパ市場の企業利益改善にも注目しており、今後長期で伸びしろのある市場と考えております。
<投資先ファンドの状況について>
月間騰落率については、ABエマージング・エクイティとABエマージング・マルチが参考指数(円ベース)に対しアウトパフォームしました。年初か市場を牽引してきたIT銘柄などの成長株(グロース株)がやや調整した一方、欧米の金利上昇圧力が高まったことなどから、銀行株などの割安株(バリュー株)が積極的に買われました。ABエマージングの2ファンドについては、グロース株とバリュー株を相場に合わせて機動的に運用するコア戦略を採用しているため、参考指数に対しアウトパフォームしました。一方、コムジェストのファンドはほとんどグロース銘柄で構成されていますので、参考指数に対して弱い一ヶ月でした。
【月間騰落率】
年間騰落率については、去年の今頃は原油安などからの資源銘柄安、またマイナス金利導入後で銀行をはじめとする金融銘柄などの景気敏感銘柄が大きく下げて、一方、昨年後半からのトランプラリーでは、そういった景気敏感株が買い戻された相場になったため、景気敏感株をほとんど保有しない当ファンドの年間騰落率は景気敏感も含む指数に対し低調なパフォーマンスになりました。
【年間騰落率】
※上記参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【本文で使用している指数の注記】 騰落率は、FACTSETよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
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