ありがとうの本棚(今月の一冊『お金の日本史』)
歴史・経済・文化の論点がわかる お金の日本史 完全版
和同開珎からバブル経済まで 単行本
- 2024/6/19井沢 元彦 (著)
今年の7月3日から20年ぶりに新紙幣が発行されました。1万円札は長く親しんだ福沢諭吉から「近代日本経済の父」と称される渋沢栄一に変更されましたが、今月は日本のお金の歴史について書かれた本をご紹介します。
本書は、お金を軸に日本の歴史・経済・文化の論点について、日本最古の通貨の誕生からバブル経済まで通史で著しています。一般的なお金の歴史の本や学校の歴史の教科書で習う定説の日本史とは一味違う著者独自の視点による歴史観と解説は興味深く面白くてスラスラと一気に読めます。
歴史の重大事件の裏には実はお金が絡んでいたなど、昔学校で日本史を勉強していたころには聞いたことも考えたこともなかった話が出てきて驚きますが、大人になった今読むとよく理解できて納得してしまいます。
著者は、『日本を「お金の歴史」で見れば、実は「マヌケな政府と尻ぬぐいする国民」の歴史であったと言っていい。日本の政府は経済政策はあまりうまくない。理由は正直な国民性(だまされやすい)にあるのかもしれないが、日本の政治家はこの歴史を認識し将来の対策としてほしいものだ。』と述べています。
皆さんご存知のように、日本経済は失われた30年と言われるデフレ経済のもと、諸外国と比較して、ほとんど経済成長してきませんでした。この30年間の経済政策や財政・金融政策の結果が現在の日本です。
今月衆議院選挙が行われる予定ですが、これからの日本はこのままでよいのか、今後の日本経済を考えるきっかけに、お金の日本史を学んでみてはいかがでしょうか。ご興味がある方は本書を読んでみてください。
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