ありがとうの本棚(今月の一冊『おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密』)
おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密
(しごとのわ)単行本(ソフトカバー)
- 2018/3/16高井浩章 (著)
今月の一冊は、著者がご自身のお子さんに向けて、経済やお金仕組みのことがわかる楽しい読みものとして書かれた本です。
書店でよく目にするビジネス書やお金の稼ぎ方が書かれているような本ではなく、「おカネ」を通して働き方や生き方について示唆に富んだ哲学的な本になっています。中学校のクラブ活動を舞台にした青春小説なので、物語に引き込まれてクラブの一員になったつもりで読み進められ、「おカネ」の知識がいつの間にか身につけられます。
中学校に新しくできた「そろばん勘定クラブ」を中心にしたストーリーで、そのクラブではお金を手に入れる6つの方法「かせぐ」・「ぬすむ」・「もらう」・「かりる」・「ふやす」・「???(ネタばれになってしまうため)」を経済や社会、仕事や歴史など様々な視点から学んでいきます。
例えば、仕事についてはサラリーマン、パチンコ屋、高利貸し、軍人など様々な職業を必要・不要に分け、不要と思う職業から「必要悪と不必要な悪」について学び、働くということを考えていきます。また、リーマンショックやビットコインを例にお金の流れとお金自体に価値はなく「お金=信用」ということを教わり「人生においてお金に惑わされず、お金を大切にしていく」という重要なことを理解していきます。
登場人物のような若い世代にはお金のことや働くことの意味について考える入り口になり、大人は本書を読んでお金のこと、経済のことを見つめ直すきっかけになると思います。幅広い世代に読んでもらいたい一冊です。
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