予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」(ハヤカワ・ノンフィクション文庫) 文庫 - 2013/8/23　ダン アリエリー (著), Dan Ariely (原名), 熊谷 淳子 (翻訳)

　昨今、行動経済学が注目を集めていて、金融、投資、資産運用の分野でもその知見を活用することが期待されています。実際に書店に行ってみると行動経済学に関する書籍が沢山並べられています。

　本書は行動経済学ブームに火をつけたベストセラーの文庫版で行動経済学研究の第一人者であるダン・アリエリーが行動経済学の観点から私達の不合理な行動について「なぜそうしてしまうのか」、「どんなふうに不合理か」を追求して解き明かしてくれます。例えば、「現金は盗まないが鉛筆なら平気で失敬する」「頼まれごとならがんばるが安い報酬ではやる気が失せる」「同じプラセボ薬でも高額なほうが効く」など、実験に基づいてその理由を解明してくれます。行動経済学の知識がない方でも面白く興味深く読めて「なるほど、そうだったのか」と納得させられます。

　行動経済学は比較的新しい分野で、心理学と経済学の両方の面を持っています。行動経済学を応用することによって、不合理な人間の心理や行動の特徴や癖を把握して、あらかじめ予想することができれば、日常生活や仕事・勉強、資産運用などの中でよりよい決断をしたり、生活を改善していくためのきっかけになるでしょう。

　行動経済学に興味があるけど、関連本がたくさんあってどれを読めばいいか迷っている方は是非読んでみてください。本書を読めば行動経済学について興味が湧いてもっと深く学びたくなると思います。