マーケット動向・ファンド運用状況 <月次レポート2018年3月より>
<2月のマーケット動向>
2月のマーケットの動きですが、過去1年以上一本調子で上昇してきたところから反転、調整する展開になりました。
特に2018年年初から世界株式市場は急ピッチで上昇していたことから、下げ幅も大きな調整になりました。序盤では、2月2日に発表された米国の1月雇用統計が市場の予想を上回ったこと、特に時間当たり賃金の上昇が確認されたことなどから物価上昇の期待が高まりました。
これを受けて米国10年国債利回りは3%近くまで上昇し、短期間で金利が急上昇したことにより世界株式市場は大きく下落しました。さらに中盤から後半にかけてやや値を戻す展開もありましたが、トランプ大統領がインフラ投資に向けた予算を議会に提出したことから、昨年の税制改革と合わせて財政赤字が拡大するとの懸念が高まったことも金利を押し上げる要因になり、株価の戻りにくい展開が続きました。
月間の騰落率としては、TOPIX(配当込み)は3.70%の下落、米国S&P500(配当込み)はドルベースで3.69%の下落、欧州MSCIヨーロッパ(配当込み)はユーロベースで3.84%の下落、新興国MSCIエマージング(配当込み)はドルベースで4.60%の下落となりました。
為替相場は月末時点で、米ドル/円が106円台後半と前月末比で円高が進行しました。ユーロ/円については130円台前半と前月末比で円高に転じました。
世界同時株安の中、特に年初から急ピッチで上昇していたエマージング市場の低迷が目立ちました。また、今まで強かったユーロが、対円でユーロ安に転じたことから、円ベースでのヨーロッパ株式市場のパフォーマンスも低迷しました。
<ありがとうファンドの運用状況>
ありがとうファンドの2月月間騰落率は5.0%の下落となりました。世界株式市場の市場平均よりは下げ止まる結果になりましたが、ユーロ安によるヨーロッパ担当ファンドの円貨にした際の低パフォーマンスが下落の大きな要因となりました。
2月中の売買状況については、主に米国株式を投資対象としているキャピタルICAファンドを一部売却し、昨年12月から投資対象として運用可能になったiシェアーズ ゴールド・トラスト(金ETF)の買い付けました。
【資産配分(1月末)】
【ポートフォリオ(2月末)】
※「年率複利」は、過去の実績値であって将来の成績を保証するものではなく、またお客様ごとの購入時期によって運用結果は異なります。「年率複利」と「標準偏差」については、ありがとうファンド設定来(2004年9月1日)からのデータを基に、弊社にて計算しております。参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
<今後の見通しについて>
今後の見通しについては、北朝鮮問題など一過性のイベントはあるものの世界経済は引き続きリーマン・ショックからの回復・成長が続くと考えています。ファンダメンタルズの改善に基づいた企業利益の成長がより注視される市場になるでしょう。下図ではリーマン・ショック前からの4国・地域のEPS(1株当たり利益)の水準をまとめました。足元5年ほど低迷していたエマージング市場とヨーロッパ市場は底を打ち活気を取り戻しはじめたように見えます。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、EPSは2007年1月末を1として指数化し2018年2月末までの推移
<今後の運用方針について>
株式市場という観点から足元の状況を考えると、リーマン・ショック後各国・地域は量的緩和などの金融緩和で各々の経済・市場を支え世界的にカネ余りの状況が続いています。リターンを求めてやや過熱感のある市場も出てきました。このような環境下では一つの市場だけに投資することはリスクが高く、特定の市場に過度に偏ることなく幅広く分散投資することにより長期的に持続性のあるリターンを享受できると考えております。ありがとうファンドでは、世界経済の成長をグローバル市場で競争力のある企業の成長に沿った形で享受できるよう、国際分散・厳選・長期投資を継続していきます。
アクティブファンドというと上昇局面で大きく稼ぐといった様な派手なイメージが強いと思いますが、ありがとうファンドでは上昇局面で無理に上値を狙うといった運用よりは市場全体が下落する局面にて市場相対で下げ幅を抑制することにより結果的に長期で安定したパフォーマンスを提供できると考えております。その源泉としては、①実績のある投資先ファンドによる成長企業の厳選、②国・地域別資産配分の見直し・調整、③金ETFなど株式市場と相関が低い資産を組み入れることによる資産分散を主に考えております。下図はあくまでも参考までにですが、上昇局面では90%ほど市場に追従し、下落局面では下落幅を抑制した場合のバックテスト例になります。ダウンサイドリスクを抑制することにより、長期で価格変動リスクを抑えながら運用パフォーマンスを向上できたことが確認いただけると思います。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、株価は1987年年初を100として指数化し2017年9月末までの推移、注:上昇・下落局面は月次騰落率ベースで判断。平均年率パフォーマンスと標準偏差についても月次ベースのデータから計算
<投資先ファンドの状況について>
月間騰落率については全投資先ファンドが下げる中、アリアンツ・ヨーロッパセレクト、アリアンツ・ユーロランド、ABエマージング・エクイティ、ABエマージング・マルチ、キャピタルICAファンドが参考指数(円ベース)に対しアンダーパフォームし、ありがとうファンドの基準価額下落の主な要因となりました。
一方、アリアンツの2ファンドについては、年間騰落率では市場平均に対しアウトパフォームしており、今まで上昇を牽引していた成長銘柄がこの度の世界同時株安相場で相対的に大きく調整したように見受けられます。
ありがとうファンドでは企業利益を持続的に成長できる質の高いビジネスモデルを持つ企業に投資するファンドを厳選しています。株式市場は過熱気味だったため調整相場に転じましたが、世界経済の回復・改善が続く中、しっかりした成長ストーリーのある企業の株価は過熱していた株価の調整を乗り越えると考えております。
ありがとうファンドでは外国株の保有比率が高くなっており、皆様のあまり親しみのない企業が多くあると思います。そういった外国企業の今後の成長ストーリーなどをセミナーでわかりやすく紹介していますので、是非セミナーに参加検討いただけると幸いです。
【月間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【年間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
<投資先ファンドの運用パフォーマンス>
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【本文で使用している指数の注記】 騰落率は、FACTSETよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
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