マーケット動向・ファンド運用状況<月次レポート2018年1月より>
<12月のマーケット動向>
12月のマーケットの動きですが、米国の税制改革法案成立への期待感などから、上昇基調のマーケットでした。序盤から中盤にかけては、米国の税制改革法案が上院で可決されたなどポジティブなニュースがあった一方、トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認めるなどの発表もあり、中東情勢の悪化が懸念され世界株式市場はやや低調に推移しました。
その後中盤から後半にかけては、米国の税制改革法案が下院通過、年内の大統領署名などが期待され、世界株式市場は総じて上昇しました。実際に税制改革法案が成立してからは、米国、日本株式市場などでは利益確定もあってか、やや値を下げて月を終えました。一方、新興国株式市場は、月前半やや弱含んでいた反動もあり後半大きく値を上げる展開で月末を迎えました。
月間の騰落率としては、TOPIX(配当込み)は1.57%の上昇、米国S&P500(配当込み)はドルベースで1.11%の上昇、欧州MSCIヨーロッパ(配当込み)はユーロベースで0.81%の上昇、新興国MSCIエマージング(配当込み)はドルベースで3.64%の上昇となりました。
為替相場は月末時点で、米ドル/円が112円台後半と前月末比で円安に転じました。ユーロ/円については135円台前半と前月末比で円安基調で月を終えました。
年初から景気感の改善が続いている新興国市場の株価が月後半特に強かったことが確認できると思います。これは12月末を決算日とする海外企業の決算発表を前に、好決算への期待が織り込まれているようにも見受けられます。
<ありがとうファンドの運用状況>
ありがとうファンドの12月月間騰落率は2.2%の上昇となりました。主に新興国株式を投資対象とするファンドの上昇が大きく寄与しました。
12月中の売買状況については、欧州株式市場を主な投資対象としているコムジェストヨーロッパファンドを一部売却し、同様の投資戦略で信託報酬の安いアリアンツ・ユーロランドファンドを買付けスイッチングしました。
【資産配分(11月末)】
【ポートフォリオ(12月末)】
※「年率複利」は、過去の実績値であって将来の成績を保証するものではなく、またお客様ごとの購入時期によって運用結果は異なります。「年率複利」と「標準偏差」については、ありがとうファンド設定来(2004年9月1日)からのデータを基に、弊社にて計算しております。参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
<今後の見通しについて>
今後の見通しについては、北朝鮮問題など一過性のイベントはあるものの世界経済は引き続きリーマン・ショックからの回復・成長が続くと考えています。ファンダメンタルズの改善に基づいた企業利益の成長がより注視される市場になるでしょう。下図ではリーマン・ショック前からの4国・地域のEPS(1株当たり利益)の水準をまとめました。足元5年ほど低迷していたエマージング市場とヨーロッパ市場は底を打ち活気を取り戻しはじめたように見えます。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、EPSは2007年1月末を1として指数化し2017年12月末までの推移
<今後の運用方針について>
株式市場という観点から足元の状況を考えると、リーマン・ショック後各国・地域は量的緩和などの金融緩和で各々の経済・市場を支え世界的にカネ余りの状況が続いています。リターンを求めてやや過熱感のある市場も出てきました。このような環境下では一つの市場だけに投資することはリスクが高く、特定の市場に過度に偏ることなく幅広く分散投資することにより長期的に持続性のあるリターンを享受できると考えております。ありがとうファンドでは、世界経済の成長をグローバル市場で競争力のある企業の成長に沿った形で享受できるよう、国際分散・厳選・長期投資を継続していきます。
アクティブファンドというと上昇局面で大きく稼ぐといった様な派手なイメージが強いと思いますが、ありがとうファンドでは上昇局面で無理に上値を狙うといった運用よりは市場全体が下落する局面にて市場相対で下げ幅を抑制することにより結果的に長期で安定したパフォーマンスを提供できると考えております。その源泉としては、実績のある投資先ファンドによる成長企業の厳選、国・地域別資産配分の見直し・調整、今後投資予定の金ETFなど株式市場と相関が低い資産を組み入れることによる資産分散を主に考えております。下図はあくまでも参考までにですが、上昇局面では90%ほど市場に追従し、下落局面では下落幅を抑制した場合のバックテスト例になります。ダウンサイドリスクを抑制することにより、長期で価格変動リスクを抑えながら運用パフォーマンスを向上できたことが確認いただけると思います。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、株価は1987年年初を100として指数化し2017年9月末までの推移、注:上昇・下落局面は月次騰落率ベースで判断。平均年率パフォーマンスと標準偏差についても月次ベースのデータから計算
<投資先ファンドの状況について>
月間騰落率については、ABエマージング・エクイティ、ABエマージング・マルチ、キャピタルICA、ABアメリカン・グロースファンドが参考指数(円ベース)に対しアウトパフォームし、ありがとうファンドの基準価額上昇に寄与しました。特にABの新興国ファンド2本は前月やや弱含んだ分、今月取り返しました。
【月間騰落率】
年間騰落率については、コムジェスト日本株式、アリアンツ・ユーロランド、ABアメリカン・グロース、アリアンツ・ヨーロッパセレクト、コムジェストヨーロッパファンドが参考指数(円ベース)に対しアウトパフォームしました。これらのファンドに共通することは徹底的な成長株戦略ファンド(グロース戦略)という点です。こういった成長株戦略は2016年後半のトランプラリーで割安だったエネルギー、金融関連銘柄が買い戻されたバリュー相場では出遅れていましたが、過去一年間景気改善が続くにつれ持続的に企業利益を成長できる成長銘柄が徐々に見直された結果、良好なパフォーマンスを実現できたと考えます。
【年間騰落率】
<投資先ファンドの運用パフォーマンス>
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【本文で使用している指数の注記】 騰落率は、FACTSETよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
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