エンゲル係数と円安
さて、今回の39トピックスではありがとうファンド第22期半期運用報告会で関心度の高かったエンゲル係数と円安について、考えてみたいと思います。エンゲル係数とは『食費÷消費支出』で算出され、総務省が発表した2025年の家計調査によるとエンゲル係数は28.6%に達し、1981年以来44年ぶりとなる高い水準を記録したとのことでした。ちなみにエンゲルはなんとなくドイツ人みたいな名前だと思って調べてみると案の定ドイツの方で、ジャーマンポテトの似合いそうな安定のヒゲ魔人でした。No offenceです。という冗談はほどほどにしておいて...エンゲル係数が上昇しているということは単純に消費支出に占める食費の割合が上がっているわけですから、世の中全体が美食家になって食べ物にカネをかけまくったハッピーワールドになったのかもしれません。しかし残念ながら、ジャガイモとバターが高いですという話をセミナーでした際に皆さんに頷いてもらえたので、どうやら1億総美食家という楽観的な状況ではなさそうです。
近年のエンゲル係数の上昇については様々な理由が考えられます。例えば、賃上げほど増えない年金収入が主である高齢者世帯の増加など人口動態も影響しているでしょうし、共働き世帯が増え、家で作る時間なんか無いですみたいな感じで加工費や人件費が加算されている外食が増えたこともエンゲル係数の上昇につながっているかもしれません。コロナ禍以降では食料品価格高騰の影響も大きいと考えられます。ただでさえ食料自給率が低く、肥料や種子も海外からの輸入頼みの状況ですので、円安の影響も大きいことでしょう。実際に下記のようにエンゲル係数とドル円の推移を比較してみると、無関係ではなさそうですね。
【エンゲル係数とドル円の推移】
出所:ファクトセットより、ありがとう投信作成
現在進行形の中東情勢悪化も原油や肥料価格高騰をはじめ、様々なモノのサプライチェーンの変更が必要になるでしょうから物価高騰要因になり、家計への負担はさらに増えそうですね。
【原油輸入におけるホルムズ海峡依存度の比較】
(2025年、インドのみ2024年度)
出所:内閣府月例経済報告より、ありがとう投信作成
『ホルムズ海峡依存度』はサウジアラビア、イラク、UAE、クウェート、カタール5か国からの輸入割合の合計
2011年の東日本大震災以降、原発停止による火力発電燃料の輸入増から日本の貿易収支は赤字になることが多く、貿易収支における原油価格の影響が大きくなっているように見えます。中東情勢が解決方向に向かったとしても、不安定な環境下では原油価格は年初よりは高い水準で推移するでしょうし、石油の国家備蓄も追加放出しているわけですから、再備蓄も必要で、『高い価格&以前より多い数量』を輸入するとなるとさらに円を売ってドルを買い、ドル建ての原油を買うことになり、今後も円安圧力は強くなると考えられます。そうなるとエンゲル係数も...という感じになりそうですかね。
【貿易収支と原油価格の推移】
出所:ファクトセットより、ありがとう投信作成
まあ、中東情勢が今後どうなるかなんて誰にも分らないことですから、そんなことを考えていてもあまり意味がないかもしれませんね。長期投資をするうえで重要なことは、今回のことも含め、資源を持たない国がいかに脆弱な経済状況にあるかをリスクとして認識すべきということでしょう。今後何かしらの有事が起こり、台湾海峡が使えなくなったら同様の問題が発生することでしょう。金融資産だけでも、国際分散させておいた方がbetterな気がするのは私だけでしょうか...
あ、でもあまり不安になりすぎて、金融資産に投資ばっかりして『NISA貧乏』になったら、エンゲル係数の数式の分母にあたる消費支出自体も減るので、またエンゲル係数が上がっちゃうかもですね。コロナ禍前のようなみんなハッピーお花畑時代ではなくなった現在、自分で考えて行動する、本当の意味での自立が必要とされているのかもしれません。
子供達の春休みワンオペ対応を沖縄でしてきました~
ガソリン代がハンパなかったです~w
写真右は毎年定点観測しているカメさんです
カメさんと泳いでいると聞こえてくる戦闘機の飛んでいる音...
前年同期比で増えた印象です
悩ましい限りですが、変わらないことは無いということでしょう
出所:筆者撮影、ありがとうファンド第22期半期運用報告会資料より一部抜粋
39!
ありがとう投信株式会社
ファンドマネージャー 真木喬敏
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【日本株】→FactSet Market Indices Japan 配当込み(税引き前配当再投資)
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