ファンドラップとロボアドバイザーについて ~それぞれの特徴とメリット・デメリット~【第3回】

2017年06月14日(水)

 次に、ロボアドバイザーについて見ていきたいと思います。AI(人工知能)やFintech(フィンテック、金融とITの融合)と言われるテクノロジーの進歩の中で登場してきたのがロボアドバイザーのサービスです。

 

 米国発祥のロボアドバイザーは、いくつかの質問に答えることで顧客一人一人のリスク許容度を分析して、過去のデータや投資方針に基づいて、最適なポートフォリオを診断・提案してくれたり、最適な資産バランスを保つ売買などを自動で行ってくれるサービスです。投資対象は、主に低コストのインデックスファンドや国内外のETFで、株や債券、不動産などに国際分散投資してくれます。

 

  

 ロボアドバイザーのサービスは専業ベンチャー企業の資産運用会社から大手ネット証券、大手金融機関まで現在数多くの会社がサービスを提供しております。出資や資本業務提携も盛んにおこなわれており、各社顧客の囲い込みにしのぎを削っている状況です。

 

 ロボアドバイザーのサービスは大きく2つに分類することができて、目的やリスク許容度の診断、目標の設定から資産配分の提案、実行、リバランスまですべて自動で実施するものから、診断と提案まで行って実際の投資判断は自分で行うものに分けることができます。

 

 実際の投資まで自動で行うロボアドバイザーサービスは、ファンドラップと同様に投資一任契約を締結することになります。この売買まで自動で行う投資一任型のロボアドバイザーのサービスについて、ファンドラップとの比較で見ていきたいと思います。

  

 どちらのサービスも資産運用お任せ型ですが、人に任せるか、ロボット(システム)に任せるかの違いがあります。どちらが優れているか、好き嫌いの問題もありますが、ここが一番の違いとなります。

 

 ロボットに任せる利点としては感情や心理に惑わされることなく、投資理論に忠実に売買やリバランスを実行してくれますので、例えば、株式市場がリーマンショックのように暴落したときやバブルのように急騰したときなど人間だと恐怖心や欲が出てしまい、迷って売買判断をできない局面でも投資方針に則って運用してくれます。

 

 そして、ロボアドバイザーの方がコスト面で言えば圧倒的に有利です。ファンドラップはトータルで年最大3%くらいの手数料(コスト)になりますが、ロボアドバイザーの場合、トータルで最大年0.9%~1.5%程度となっており、半分以下のコストで済むことになります。

  

 ネット取引に抵抗がなく対面取引にこだわらなければファンドラップよりもロボアドバイザーを利用した方が有利であると言えるでしょう。ファンドラップの高コストの問題点を解決したサービスがロボアドバイザーだとも言えます。

  

 また、最低投資金額も10万円程度からできるものが多く、また、毎月積立契約では1万円からできるサービスもあるので、初めて投資する人にとっても利用しやすく、ファンドラップと比べても敷居が低いと言えるでしょう。

 

 さらに、ファンドラップと同様に、定期自動換金サービスもあり、運用を継続しながら計画的に資産を換金していくサービスもあります。

  

(第4回へ続く)

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