ありがとうの本棚(今月の一冊『世界を変えた「ヤバい税金」 』)

2023年06月02日(金)

世界を変えた「ヤバい税金」 (イースト新書Q) 新書

- 2022/3/10大村 大次郎 (著)

  

 

 昨今、日本では防衛費や社会保障関係費、少子化対策、子育て支援などの歳出増加をどのように賄っていくのか財源確保のための増税議論が盛んになっています。

 そのような中、今月は元国税調査官が書いた古今東西の「税金」を紹介した本を取り上げたいと思います。

 

 本書では、世界の歴史上、実際にあった様々な税金について、どういう目的で作られて導入後どうなったのか、その背景まで含めて詳しく紹介されています。こんな税金を課して大丈夫かなと思うような現代では考えられない税金、国民や民衆からの強い反発で導入後にすぐに撤廃された税金、国が崩壊する原因になった税金など、70個のエピソードを集めて面白く紹介されています。

 

 著者は、税金のかけ方次第で国のあり方は大きく変わると言います。格差が拡大するか、格差が是正されるかも税金のかけ方次第ですし、何にどれだけ課税するかで産業の発展・衰退も決まります。「税制が国の行く末を左右する」と言っても過言ではないと述べています。

 

 私達は普段自分が税金をどれだけ支払っているのかあまり意識していませんが、その要因の一つが給与から天引きされる源泉徴収だと言われています。本書の中でも取り上げられていますが、実はこの源泉徴収制度は、戦時中の特別措置としてナチス・ドイツに習って日本でも導入されたもので、それが戦後も継続されて現在に至っているそうです。

 

 税金版トレビアの泉としても楽しめますので、是非この機会に税金についての知識を深めてみませんか?

    

    

  

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