金の重さ

2025年05月01日(木)

いつも突然ですが、我が家では最近子供達がお金に興味を持ちはじめました。そこで、今年の春休み期間は大変名誉なことにちょうどワンオペ子供対応担当大臣を拝命していたので、これはいい機会だからということで子供達を連れて貨幣博物館に行きました。貨幣博物館は日本銀行のすぐ隣にあり、初めて訪問しましたが意外と面白い施設でしたので、受益者の皆様もゴールデンウィークなどで近くまで来られることがあったら是非立ち寄ってみて下さい。貨幣博物館へ入場するために一切の貨幣は必要ございませんので、昨今の物価高騰下でひっ迫している家計にとってはお財布にも優しい有難い博物館になっております。

 

どこが面白いかって?私はコスパ、タイパ至上主義のネタバレ消費Z世代じゃないので、ちゃんと自分の目で見て、さわって体験していただくのがよろしいかと思います。と言いながらも、少しネタバレしてみます。貨幣博物館では主にお金の歴史について子供にもわかりやすい表現で展示されているので、大人が横で説明しなくても子供達が自分で学んでくれます。かといって、大人にとっては退屈な場所かというとそういうわけでもなく、改めてお金について考えさせられる大変すばらしい施設になっております。古くは貝殻貨幣、米代替時代などから丁寧な解説展示があるので、大変勉強になります。最近ではお米が高騰して、世の中的にやっとお米のありがたさを意識するようになりましたが、そもそも大昔は米がお金の役割を果たしていたんですからね...ご飯を残すなんてもったいない...と子供達に説教してみることもできます。舌打ちが聞こえてきそうですね。

 

参考の時代と比べて...

基調的な物価上昇かな?

【最近のお米は39プライス!】

出所:日本銀行 貨幣博物館ホームページより、ご参考までに

 

 

他にもリアル金の成る木がありますよみたいなお話とか、和同開珎や寛永通宝のような銭貨の真ん中の穴が四角い形をしているのにもちゃんと理由があって、『あ~なるほどね~』と大人の私でも感心させられました。江戸時代ぐらいになると、藩札が使われるようになり、それぞれの藩が独自の藩札を発行するので、お金ってこんなにあるのか!とだんだんとお金のありがたさが薄れていくような気がしました。さらに時代が進むと、日本銀行券が出てきて...昭和金融恐慌の際には表だけ印刷したお札を刷ってみたり、海外のお金も幅広く展示されていて、第一次世界大戦後のドイツの100兆マルク札なども展示されていました。乱発される藩札、片面だけのお札、額面がどんどん大きくなっていくお札、こういう歴史を改めてみると、何となく足元の状況も似たり寄ったりな気がして、歴史から何を学んだのだろうと考えたくなります。

 

そんなハイパーインフレ的に多種多様な銭貨やお札が展示されている貨幣博物館の展示スペースで異様な存在感をみせるのが、大判、小判などの金貨です。特に分銅金(375gの金塊)のレプリカはずっしりと重く、金の重さを体験できる素晴らしい機会でした。足元のマーケットはトランプ劇場再来ということでトランプ米大統領の発言に一喜一憂する日々が続いており、主要な株価指数は数%下落してみれば、次の日には数%上昇してみてとボラティリティの高い展開が続いています。そんな不透明感しかない毎日では、金価格はどんどん上昇しているわけで、こういう展開を想定して2018年から金のETF組み入れを開始していたありがとうファンドとしては良かったな~と思う反面、世の中がおかしくなっていく様をみていると複雑な心境です。本来、人々がdealするための手段として開発された『お金』でしたが、現代において株価に右往左往、一喜一憂している人々をみていると逆に『お金』に人が操られている気すらします。手段と目的が逆転しているイメージです。受益者の皆様方に置かれましても、ハラハラドキドキと心が休まらない状況かもしれませんが改めて長期投資の目的を思い出していただき、余裕資金で長期投資に挑んでいただけますと幸いです。

 

古くて新しい資産、金(ゴールド)、良くも悪くも注目の的です。貨幣博物館オススメです!

 

 

供給に限りのあるゴールドとバラマキ放題のお金

【米国マネーサプライM1と金価格の推移】

出所:ファクトセットより、ありがとう投信作成

 

 

武士は食わねど高楊枝?

商人は?

【金と米の価格推移】

出所:ファクトセット、総務省より、ありがとう投信作成。コシヒカリ5kgの小売価格は東京23区のデータ

 

 

分散効果に期待

【市場混乱イベント発生時のゴールドと世界・日本株のパフォーマンス】

出所:ファクトセットより、ありがとう投信作成

2008年世界金融危機:2008年8月11日~2009年3月9日、新型コロナ禍:2020年2月19日~3月23日、米国国債格下げ:2011年7月7日~10月3日、2002年リセッション:2002年3月19日~7月23日、ロシア侵攻/インフレ・ショック:2022年1月1日~6月17日、9.11同時多発テロ:2001年8月24日~9月21日、サブプライム暴落:2007年10月9日~2008年3月10日、米中貿易戦争:2018年9月21日~12月26日、市場フラッシュ・クラッシュ:2010年4月23日~7月2日、令和のブラックマンデー:2024年7月16日~8月5日、2025年年初来:2024年12月31日~4月29日。金はドルベース、世界株はドルベース、日本株は円ベース。

 

39!

ありがとう投信株式会社

ファンドマネージャー 真木喬敏

 

         

 

◆記載内容について: 資料に記載されている個別の銘柄・企業については、あくまでも参考として申し述べたものであり、その銘柄又は企業の株式等の売買を推奨するものではありません。

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【日本株】→FactSet Market Indices Japan 配当込み(税引き前配当再投資)

【世界株】→FactSet Market Indices World 配当込み(税引き前配当再投資)

【米国株】→FactSet Market Indices US 配当込み(税引き前配当再投資)

【欧州株】→FactSet Market Indices Europe 配当込み(税引き前配当再投資)

【新興国株】→FactSet Market Indices Emerging 配当込み(税引き前配当再投資)

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