【今月のFP情報コラム】『今さら聞けない給与明細の見方』(2023年5月)

 新年度を迎えましたがいかがお過ごしでしょうか。

 

 4月から新社会人として働き始めた方の中には既に初任給が支給された方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回のテーマは『今さら聞けない給与明細の見方』です。

 

 月に1度配られる給与明細。最近はデジタル化が進み、自分でアクセスして閲覧するケースも増えています。しかし、給与明細の内訳をきちんとご覧になったことがありますか。内容を確認せずに封印してしまっている方のほうが多いのではないでしょうか。

 

 お給料がいくら貰えたかも大事ですが、何にいくら天引きされているのかを理解しておくのも社会人として大切なことです。新社会人もそうでない方も一緒に確認していきましょう。

 

 

 

はじめに給与明細は以下の3つに大きく分かれています。

①勤怠...出勤日数・有給取得日数・残業時間など給与計算のもとになる勤務状況

②支給...基本給や通勤等各種手当など会社から支払われる金額 

③控除...給与天引きされる社会保険料や税金の額

 

一般的に総支給額-総控除額=差引支給額という構成になっています。

※総支給額=額面。会社から支給される給料の総額 

差引支給額=手取り。実際に私たちが手にする金額

  

 

 

※給与明細イメージサンプル

 

 

 

 この給料明細だと額面は278,750円ですが、手取りは208,490円となっており、差額の70,260円(率にすると約25.2%)を自動的に税金や社会保険料として国に納付していることになります。

 

 税金とは所得税・住民税のことで、社会保険とは年金・健康保険・介護保険・雇用保険のことです。実は私たちは毎月結構な税金・社会保険料を負担しています。

 

 しかし、税金と社会保険料は日本で暮らすためには必ず納めなくてはならないものです。給料天引きをされてしまうと引かれていることさえ気づかない人も多いと思いますが、毎月これだけの額を国に納めているとしっかり認識しておきたいですね。

 

 ローンを組んだり、転職活動をする際など、生活する中で年収を聞かれる場面が多々あります。お金の話が出た時は「額面」なのか「手取り」なのかを必ず確認しましょう。

 

 

 

 給与明細では会社が負担してくれているお金を確認することもできます。この給与明細だと、「資格手当」と「住宅手当」が会社独自の福利厚生です。会社によってもらえないところも多いので、勤務先を選ぶ際にはこういった福利厚生面もポイントです。

 

 稀に給与明細の金額が間違っている場合もあるようです。チェック機能も兼ねて給与明細の中身を必ず確認するようにしましょう。

 

 また家計のやりくりを考える場合は、収入は額面ではなく手取り額で計算をして、赤字にならないようにし、できれば手取り額の1割程度は貯蓄(余裕があれば運用)に回せるようやりくりしていきましょう。

 

 

 

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