【今月のFP情報コラム】人気が高まる金(ゴールド)への投資について(2025年11月)
近年、世界経済や地政学上の不確実性が高まる中で、2025年初頭から金価格は史上最高値を更新し続け、9月には店頭小売価格で20,000円を超える価格となりました。
その後も連日、1gあたり20,000円以上の高値で推移しています。
今回は、注目されている金(ゴールド)について取り上げたいと思います。
金投資のメリット・デメリット
金は、古代から富や権力の象徴であり、美しい輝きで多くの人々を魅了し続けてきました。優れた加工性、耐久性から宝飾品や工業製品等、さまざまな用途で利用されています。また、通貨や通貨価値の裏付け(金本位制)として使われてきた歴史があり、現在でも世界中でその価値が認められています。
金価格の変動要因
ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引されている金先物価格が、世界中の金取引の指標となっており、「トロイオンス(約31.1g)」単位で米ドル建てにより表示されます。金の価格の変動には様々な要因が複雑に絡み合っており、主な要因は以下の通りです。
①需要と供給のバランス
宝飾品や産業用途に加え、インフレヘッジや安全資産としての投資需要が高まると価格は上昇します。ちなみに、中国とインドは世界の金需要の約50%を占めていて、投資目的での需要が増加しています。
②経済情勢
インフレ時に法定通貨の価値は目減りするため、価値の安定している金への需要が高まります。インフレ懸念は金価格の上昇要因となります。
③金利の動向
金は利息を生まない資産のため金利が上昇すると、利回りのある債券などの金融商品に資金が流れやすくなり、金の価格が下落します。逆に、低金利の状況では金価格は上昇しやすくなります。
④通貨の価値変動(為替)
金は米ドル建てで取引されることが多いため、米ドル為替相場や米国の金利動向が価格に大きく影響します。一般的に、ドル高になると金価格は下落し、ドル安になると上昇する傾向があります。また、日本国内の価格は、海外市場価格と為替(ドル円相場)の両方に影響されるため、近年の急激な円安進行も国内金価格の高騰要因となっています。
⑤地政学リスク
戦争や地域紛争(ロシア・ウクライナ侵攻、中東情勢など)、国家間の政治的緊張といった国際情勢の不安定化は、投資家のリスク回避意識を高めます。安全資産とされる金への需要が増加し、価格が上昇する傾向があります。
⑥中央銀行の動向
各国の中央銀行は外貨準備として金を保有しており、金の売買も、市場の需給バランスに大きな影響を与えます。特に。ロシアのウクライナ侵攻(2022年)以降、米国による経済制裁を背景に、米ドルへの依存度を減らし、資産の分散化を図る目的で、多くの国の中央銀行が金の購入を増加させています。
金への投資にはどのような方法がある?
金に投資する方法は、金の現物を購入する方法と金価格に連動する金融商品を利用する方法と、大きく2つに分けられ、それぞれ下図のようなメリット・デメリットがあります。
色々な金への投資方法がある中で、機関投資家のグローバルなマルチアセットのポートフォリオの運用において、保有コスト、透明性、流動性などの主なメリットにより、金ETFは現代のポートフォリオ管理に不可欠なツールであり、一定比率で金へ投資することは長期で資産運用をしていく上で、リスク低減、リターン向上、最大下落率を小さくする効果が見込めるため有効な手段であると考えられています。
ありがとうファンドの運用は、長期・国際分散・厳選投資で株式を中心に投資しています。様々な国・地域の価値ある企業を選別することによる分散効果に加えて、株式と相関の低い金ETFに一部投資することでダウンサイドリスク抑えながら世界経済の成長・企業の利益成長の恩恵を享受できるものと考えております。
金投資には、一定の知識や経験が必要な場合もあるため、メリットやデメリットをよく理解することが大切です。金だけに偏った投資は避け、全体のポートフォリオの一部として位置づけるようにしましょう。
<本件に関するお問合せ>
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