価格がつく有り難さ

2025年07月08日(火)

最近我が家では金曜の夜は一週間お疲れさまでしたムービーナイトを開催しております。子供達は最近『戦争』について興味が出てきたようで、『戦争』をテーマに観る映画を選ぶことになったのですが...流石にいきなりノルマンディー上陸作戦みたいな描写をみせるわけにもいかないので、以前の『となりのトトロ』繋がりで『火垂るの墓』を観ることにしました。劇中、清太(14歳)と節子(4歳)がおばさんの家での生活に嫌気がさし、家を出て二人で暮らし始めてから、清太が近所の農家のおじさんに米を買いたいと交渉するシーンがありました。農家のおじさんは次のように言い清太との米取引を断ります。「それやったら、やっぱりあの家へおかしてもろた方がええ。第一、今はなんでもかんでも配給やし、隣組に入っとらんと暮らしてはいけん」「なっ、よう謝ってあすこへ置いてもらい」...足元の日本ではコメ価格の高値が続いておりますが、価格がついて買えるだけでも有り難いことなのかもと思った次第でございます。

 

という感じで夏休みの読書感想文的なコメントでございました。これは少し極端なシチュエーションだと言われる方もいるでしょう。私が以前勤めていた外資金融機関の上司はアメリカで同時多発テロが発生した2001年9月11日の際に一部の債券系金融商品のプライスがつかなかったとこぼしていました。ちょうど一年ぐらい前に起こった『令和のブラックマンデー』や、ついこないだ起こった『トランプ関税ショック』などのように、たま~に株式市場は暴落しますが、まだ価格がつくだけましなのかもしれません。株式市場は多くの市場参加者により日々取引が執行され価格が形成される市場であり、私の知る限り最も流動性の高い市場の部類にあたる市場だと思います。過去30年間納豆3パックの価格100円以下が当たり前で、あまり価格の変動を体験してこなかった日本人にとって、日々価格が変わる市場は怪しい存在なのかもしれませんが、暴落もできる流動性をもう少し尊重してもいいかもしれません。

 

【コメと納豆の価格推移】

出所:総務省より、ありがとう投信作成。小売価格は東京23区のデータ、2025年6月月次までの推移

 

 

最後になりますが、今年の終戦の日である8月15日(金)の金曜ロードショーでは『火垂るの墓』が放送されるそうです。そもそも私の子供達が戦争に興味を持ち始めた理由は毎朝私とニュースを見ている中で、海外での戦争や紛争のニュースを目にする機会が多くなったからでしょう。日々価格がつく世の中に感謝しつつも、そうじゃなかった世の中があったという事実を確認する上でも良い機会かもしれません。

 

数年前に廃業された企業が製造していた『サクマ式ドロップス』は廃業時、希少性の高さからメルカリなどでは高額で取引されていました。価格メカニズムはなかなか奥が深いですね~。子供達は『ドロップ!ドロップ~』と節子が食べていた『サクマ式ドロップス』をねだります。さてさて、困ったものです。

 

【株価を形成した期待と失望の歴史】

出所:ファクトセットより、ありがとう投信作成。株価は月次・円ベース、2001年1月末を100として2025年6月末までの推移

39!

ありがとう投信株式会社

ファンドマネージャー 真木喬敏

 

         

 

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【日本株】→FactSet Market Indices Japan 配当込み(税引き前配当再投資)

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【米国株】→FactSet Market Indices US 配当込み(税引き前配当再投資)

【欧州株】→FactSet Market Indices Europe 配当込み(税引き前配当再投資)

【新興国株】→FactSet Market Indices Emerging 配当込み(税引き前配当再投資)

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