【今月のFP情報コラム】ローンやクレジットカードの審査に影響する「信用情報」とは? スマホや奨学金も注意!(2025年4月)

 私たちは、買い物のためにクレジットカードや後払いアプリを使ったり、家や車を購入するためにローンを組んだりします。このような際、重要になるのがその人の信用情報です。日常生活を取り巻く様々なことに大きく関わる「信用」について解説していきます。

 

 

信用情報とは

 

 信用情報とは、ローンやクレジットカード、割賦販売、奨学金などに申込み、契約をした人の属性や契約内容、利用状況に関する情報のことです。信用情報は、国が指定する信用情報機関に登録されています。

 

 クレジットカード会社や信販会社、消費者金融、保険会社、銀行などは、1つ以上の信用情報機関に加盟しており、顧客の個人情報やカードの利用状況などの情報を信用情報機関に提供します。同時に、ローンやクレジットカードの申込みなどがあった場合は、審査の過程で信用情報機関に照会をかけ、申込者の信用情報の提供を受けるしくみになっています。

 

 

信用情報として登録される主な内容

 

◆本人を特定する情報

 氏名や住所、電話番号、生年月日、勤務先、本人が提出した本人確認書類の内容など、本人を特定する基本的な情報になります。

    

◆ローンやクレジットカードなどの利用状況に関する情報

 ローンやクレジットカードなどの利用状況も、信用情報として記録されます。具体的には、契約内容に関する情報(種類、契約日、貸付金額)、返済状況に関する情報(入金日、ローン残高、延滞の有無、完済日)などが登録されています。利用状況には「申込みに関する情報」も含まれるので、ローンやクレジットカードの審査に通らなかった場合でも、申込みの履歴は登録されます。

   

◆取引事実に関する情報

 ローンやクレジットの契約中の遅延や延滞、債務整理、強制解約、代位弁済などの事故情報も登録されます。一般的に「ブラックリストに載る」という状態です。

 

 各情報には信用情報機関ごと、情報の内容ごとに一定の保存期限が設けられています。契約中だけでなく、ローンを完済、分割払いの支払いを完了するなど契約終了しても数年経たなければ事故情報は消えません。

  

 

  

   

 

 

何をしたらブラックリストに載るの?

 

◆延滞や滞納が続いている

 61日以上の返済遅延や3ヵ月連続の延滞があると、事故情報として登録されることが一般的です。カードローン・消費者金融などでの借入れ、クレジットカードの分割払い、リボ払いの毎月の返済や携帯電話の分割払いの遅れなども含まれます。特に携帯電話の端末代金の分割支払い(割賦販売の支払い)は注意が必要です。携帯電話サービスの会社が一時的に代金を立て替える代わりに、信用情報への履歴の記録が義務付けられているため、支払いが滞るとブラックリスト入りする可能性があります。また、家賃保証会社を利用している場合やクレジットカードで支払いっている家賃、奨学金の延滞情報も登録されるので気をつけましょう。

 

◆任意整理や自己破産などの債務整理をした

 自己破産・任意整理・個人再生(民事再生)などの法的な手続きを行い、借金を減額したり、免除したりする手段をとった場合、その情報が一定期間、信用情報に登録されます。

   

◆短期間に複数のローンやクレジットカードの申込みをした

 短期間に複数のローンやクレジットカードの申込み(多重申込)をすると信用情報に登録される可能性があります。申込みの情報自体は事故情報ではありませんが 多重申込情報が載っていると返済能力や犯罪行為などを疑われてしまい、審査通過が難しくなることがあります。ローンやクレジットカードの審査が通らなかった情報は半年ほど登録されているので、断られた場合は6ヵ月から1年ぐらい経ってから申込むようにしましょう。

    

  

 

 

 

ブラックリストに載ってしまったらどうなる?

 

◆クレジットカードの利用が止められる

 クレジットカード会社は、カードの新規作成や更新時に信用情報機関の情報を用いて審査を行うため、事故情報があると新しいカードの発行や今持っているカードの利用ができなくなる可能性があります。家賃や公共料金の支払い、買い物にクレジットカードを使用している場合は、別の決済手段への切り替えが必要です。なお、デビットカードや現金チャージ型の電子マネーなどは利用可能です。

  

◆新たなローンが組めなくなる

 ブラックリストに載っている間は信用力が低いとみなされ、住宅ローンやマイカーローンなどの審査に通らず、新しくローンを組むことが難しくなります。ローンを利用することが一般的な不動産や車を購入しづらくなるでしょう。ローンだけでなく、キャッシングなどで借金することも同様に難しくなります。

  

◆ローンや奨学金の保証人になれない

 家族や友人などがローンを組もうとしたとき、その保証人になろうとしても、なれない可能性が高いでしょう。銀行からお金を借りる場合はもちろん、子どもの奨学金の保証人になることもできません。

  

◆携帯電話の分割購入ができない

 携帯電話を購入する際も、信用情報を確認されるため事故情報があると、分割払い(割賦払い)によって携帯電話を購入することができなくなる可能性が高くなります。

  

◆賃貸住宅の入居審査に通らない

 賃貸物件の契約の際に、家賃保証会社を利用して申込む場合には注意が必要です。保証会社は入居審査の際、信用情報機関への照会を行います。その結果、事故情報があると入居審査に通らない可能性があります。

    

◆自分の信用情報を確かめる方法

 現在日本で信用情報を管理している機関は3つあります。いずれの機関にも「本人開示制度」がありますので、ご自身で開示請求の手続をすれば、自分の信用情報を確認することができます。詳しくは各信用情報機関でご確認ください。

 

 

ICC(日本信用情報機構) https://www.jicc.co.jp/

CIC(株式会社シー・アイ・シー) https://www.cic.co.jp/

KSC(全国銀行個人信用情報センター)  https://www.zenginkyo.or.jp/pcic/

 

 

 「引き落とし口座への入金をうっかり忘れて、引き落としできなかった」といった失敗はよくありますが、速やかに対応すれば事故情報とはなりません。しかし、「大丈夫だろう」と何ヶ月も延滞した場合、ブラックリストに一定期間登録されるため賃貸契約ができなかったり、必要な資金が借りられなかったりと、将来の生活や計画に大きな影響を及ぼすリスクがあります。無理な借入れやローンをしないことがこのような不利益を避ける重要なポイントとなります。「借りたものはきちんと返す」に越したことはないですね。

    

 

  

 

   

<本件に関するお問合せ>
ありがとう投信株式会社 カスタマーサービス部
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