第21期ありがとうファンド半期運用報告(2024年8月末~2025年2月末)
さて、ありがとうファンドは2月末に第21 期中間決算を迎えました。今月のありがとうブログでは半年間の振り返りを簡単にさせていただければと思います。報告期間は前期期末の2024年8月末から2025年2月末までの約6ヵ月間になります。また、現在全国6ヵ所で開催している第21期半期運用報告会では本ブログで解説させていただく内容に加えて、足元の投資環境の整理・今後の運用方針などまで広げて話しておりますので、是非ご参加いただけますと幸いです。
下図の上段はいつも月次レポートで載せている騰落率の図になります。2月末時点の6ヵ月の騰落率は+5.3%となり、当ファンドの基準価額は2025年1月頃までは+10%を超える上昇基調での推移でしたが、2月末にかけて急速に下落に転じました。
【ありがとうファンドの騰落率】
出所:ファクトセット等より、ありがとう投信作成。線グラフはありがとうファンドの基準価額2024年8月末時点を1とした期中の推移。
※設定来騰落率については、ありがとうファンド設定日の 2004 年 9 月 1 日からの騰落率になります。
ありがとうファンドは世界の国・地域に分散投資しておりますので、各国・地域別の株価推移も見てみましょう。
9月の世界株式市場は中国政府による景気刺激&株高政策の発表により、中国株が急激に上昇したことから、新興国株が大きく上昇しました。その後は11月の米大統領選を前に動きにくい展開が続きました。
11月に入り、トランプ氏の米大統領選勝利が好感され米国株が大きく上昇する一方、他の国・地域株式市場では、米大統領・議会選挙がトリプルレッドになったことから、トランプ氏の関税引き上げなど米国第一主義的な政策の確度が上がり、内向き化する米国が意識され、米国への輸出依存度の高い国の株式市場を中心に低調なパフォーマンスになりました。
年が明けて2025年に入ってからは、トランプ米大統領の就任前後で期待と不安が交錯し、トランプ政権による関税政策の動向などに一喜一憂する相場展開がはじまりました。1月の後半にはDeepSeekショックが起こり、今まで世界株式市場の上昇を牽引してきた米国の半導体関連銘柄などハイテク銘柄を中心に下落に転じる局面も見られました。一方、ウクライナ停戦による復興需要を見込んでか、欧州株は年初から力強く上昇しました。
【マーケットのおさらい】
(現地通貨ベース)
出所:ファクトセット等より、ありがとう投信作成
【ウクライナの復興需要を織り込む?】
出所:ファクトセット等より、ありがとう投信作成。データは2021年1月月初を100として、2025年3月5日までの推移
次に、為替の推移も見てみましょう。対ドルで比較的up downの大きな期になりました。10月月初に、石破首相が植田日銀総裁と歓談し『個人的に追加利上げするような環境にあるとは考えていない』と発言された後1ヶ月で10円近く円安に振れました。その後12月の日銀金融政策決定会合で植田日銀総裁が追加利上げに慎重な姿勢を見せたことなどから、円安傾向が加速しました。年が明けて、1月の日銀金融政策決定会合では政策金利の0.50%への引き上げが決定され、その後は2月末にかけて円高傾向に転じました。
【ドル円とユーロ円のおさらい】
出所:ファクトセット等より、ありがとう投信作成
当ファンドの基準価額は日本円で算出されますので、円ベースでのマーケット推移も見ておきましょう。先ほどの現地通貨ベースの図を円ベースに換算すると以下のような推移になります。
【マーケットのおさらい】
(円ベース)
出所:ファクトセット等より、ありがとう投信作成
次に、あくまでも概算値になりますが、それぞれの投資先ファンドの寄与度を下記のスライドでまとめてみました。基本的には計算期間の組入比率の高いファンドほど当ファンドの基準価額への寄与度が高くなる傾向にあります。
当期の主な投資行動としては、前期から引き続き中国経済の長期停滞と地政学リスクと鑑みて、新興国株ファンドを一部売却し、RBCエマージング・マーケッツ(除く中国)・エクイティ・ファンドに新規投資を開始しました。また、保有割合が大きくなっているアライアンス・バーンスタイン・アメリカン・グロース・ポートフォリオとラザード・グローバル・エクイティ・フランチャイズ・ファンドを一部売却、ラザード・グローバル・クオリティ・グロース・ファンドを全売却し、米国株式の投資スタイル分散のため、ブラウン・アドバイザリー・US・サステナブル・バリュー・ファンドとJPモルガン・USグロース・ファンドに新規投資を開始しました。さらに、欧州株のバリュエーション改善を考慮し、アライアンス・バーンスタイン・ヨーロピアン・グロース・ポートフォリオを買い増し、トランプ政権の再来など不透明感が増すことを想定し、米大統領選前に金ETF(IAUM)の買い増しなども行いました。
【投資先ファンド寄与度】
(概算値)
【投資先ファンドのパフォーマンス】
(2025年2月末時点)
出所:各種投資先運用会社データ、ファクトセットより、ありがとう投信作成、円ベースのパフォーマンス
各国・地域市場ごとに投資先ファンドのパフォーマンスを確認してみましょう。
【日本株式市場】
出所:ファクトセットより、ありがとう投信作成。株価・指数は2024年8月末を1として指数化、2025 年2月末までの推移。外貨建ての株価・指数はすべて日次で邦貨換算した日本円ベース。
【米国株式市場】
出所:ファクトセットより、ありがとう投信作成。株価・指数は2024年8月末を1として指数化、2025年2月末までの推移。外貨建ての株価・指数はすべて日次で邦貨換算した日本円ベース
【欧州株式市場】
出所:ファクトセットより、ありがとう投信作成。株価・指数は2024年8月末を1として指数化、2025年2月末までの推移。外貨建ての株価・指数はすべて日次で邦貨換算した日本円ベース
【新興国株式市場】
出所:ファクトセットより、ありがとう投信作成。株価・指数は2024年8月末を1として指数化、2025年2月末までの推移。外貨建ての株価・指数はすべて日次で邦貨換算した日本円ベース
【世界株式市場】
出所:ファクトセットより、ありがとう投信作成。株価・指数は2024年8月末を1として指数化、2025年2月末までの推移。外貨建ての株価・指数はすべて日次で邦貨換算した日本円ベース
【金ETF】
出所:ファクトセットより、ありがとう投信作成。株価・指数は2024年8月末を1として指数化、2025年2月末までの推移。外貨建ての株価・指数はすべて日次で邦貨換算した日本円ベース
以上、簡単ではございますが第21 期半期運用報告とさせていただきます。
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ありがとう投信株式会社
ファンドマネージャー 真木喬敏
◆記載内容について: 資料に記載されている個別の銘柄・企業については、あくまでも参考として申し述べたものであり、その銘柄又は企業の株式等の売買を推奨するものではありません。
◆株価指数について:記載されている各国・地域市場の指数は特別注記が無い場合は以下の指数を使用しています。
【日本株】→FactSet Market Indices Japan 配当込み(税引き前配当再投資)
【世界株】→FactSet Market Indices World 配当込み(税引き前配当再投資)
【米国株】→FactSet Market Indices US 配当込み(税引き前配当再投資)
【欧州株】→FactSet Market Indices Europe 配当込み(税引き前配当再投資)
【新興国株】→FactSet Market Indices Emerging 配当込み(税引き前配当再投資)
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