SDGsの大嘘 (宝島社新書) 新書 - 2022/5/27池田 清彦 (著)

　

　過激なタイトルの本ではあるが中身はわかりやすくて面白い。著者は人気ＴＶ番組でお馴染みの池田先生。昨今、ＳＤＧｓはＥＳＧや脱炭素とともに、人類が持続可能な成長を続けていくためには必要な目標であり、未来に向けて推進すべき素晴らしい立派な考えとして、メディアやビジネスの世界では大きなブームになっている。

　

　ＳＤＧｓに関連するビジネスにはたくさんのお金が集まって盛況のようだ。資産運用業界においても大きなトレンドになっておりＳＤＧｓやＥＳＧ投資が盛んであり、新商品もたくさん開発されている。投資運用をする上でも考慮することは必須で無視できないファクターになっている。

　

　そんな世界的な潮流に対して著者は本書の中で警鐘を鳴らしており、誰も反対できないような表面上の崇高さとは裏腹にトレードオフの関係にある明らかに矛盾する開発目標やＳＤＧｓを推進することが世界、日本、そして人類の将来にとって本当に良いことなのか、現実的な検証に基づいて疑問を投げかけている。

　

　ＳＤＧｓやＥＳＧ、脱炭素がビジネスや投資の世界で常識になっている今だからこそ、別の視点から自分の頭で考えるために読んでおいて損はない一冊だと思う。