新年あけましておめでとうございます<月次レポート2019年1月より>

2019年01月10日(木)

 皆さま、新年あけましておめでとうございます。旧年中は格別なご高配を賜り、誠に有難く厚く御礼申し上げます。

 

 本年もお客様の資産運用のお役に立てるように、役職員一同、精進して参りますので、今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 

 

 

適温相場から変温相場へ

  

 さて、昨年末からマーケットは乱高下してボラティリティ(価格変動)の大きな相場展開になっています。米中貿易摩擦悪化が実体経済に悪影響を与える懸念や米国経済の景気後退懸念、利上げの見通しなどにより、マーケットはジェットコースターのように上下しています。先月1ヶ月で世界の株式市場は1割程度調整しました。新年に入ってからも為替が円高に大きく振れたり、アップルが中国国内でのiPhoneの販売不振により業績見通しを下方修正したことによる悪材料で急落したかと思えば、米国の雇用統計が市場予想を上回ったこと、FRBのパウエル議長が利上げを一時停止する可能性を示唆したことにより急反発するなど荒い値動きが継続しています。

 

 リーマンショックから10年経って米国経済の景気拡大も続いている中、景気後退はいつ頃来るか、景気のピークアウトはいつかが注目されている中、何か材料が出るたびに株価が大きく変動しています。一昨年の株価の変動が小さく右肩上がりで上昇した適温相場から株価の変動が大きい変温相場になってきました。

 

 今年も米国経済や利上げの動向、米中貿易摩擦の行方だけでなく、欧州での英国EU離脱問題、日本の参議院選挙や消費税引き上げなど目が離せないイベントが多数あり、マーケットに影響を与える要因であると考えられます。

 

 

世界経済と企業利益の成長を享受

  

 ここ1、2年前から資産運用をはじめられた方は昨年の株式市場の調整に不安になっている方もいらっしゃると思います。株式市場は企業の業績や本質的価値以外の需給要因などによっても上がったり、下がったりします。個別企業の業績が良くても、下げ相場であれば株価は下落し、業績があまり良くなくても市場全体が好調であれば、株価は上昇します。特に最近はETFやインデックスファンドの台頭、高速取引やアルゴリズム取引により相場全体の動向に影響されるようになってきており、価格変動が大きくなる一因になっていると考えられます。指数に連動するように運用するETFやインデックスファンドなどのパッシブ運用の規模が大きくなると個別企業の業績に関係なく一律で買われたり、売られたりするので本質的価値と株価の乖離やゆがみが大きくなる弊害が出てきているのが現状です。

 

 しかしながら、長期で見れば株価は企業業績や1株当り利益と相関があると考えられており、そこに収れんされていきます。業績が悪く赤字が続いて企業価値が減少している企業の株価は中長期で見て右肩下がりの傾向になっていますし、業績が良くて増収増益、増配を毎期継続している企業の株価は長期で見て右肩上がりのトレンドになっています。また、経済成長をしている国・地域の株式市場は長期で見れば右肩上がりのトレンドになる一方で、経済成長していない国・地域では、ボックス圏で横ばいのトレンドになる傾向が見られます。

   

 実体経済の悪化や景気後退が懸念されていますが、中長期で見れば、世界経済は人口増加をドライバーに年率3~4%程度で今後も成長していくことが予想されていますので、足元の上昇、下落に惑わされずに長期的に世界経済と企業利益の成長を享受できるようにグローバルにクオリティの高い企業を厳選して国際分散投資を継続していくことが大切になってくると考えます。

  

 

  

 

時間分散が大切

  

 国際分散投資をしていく上でもう一つ大切なことは時間分散という考え方です。タイミングを見計らって一度に買ったり、売ったりすることは当たれば大きな利益になりますが、外れればその反対になります。

  

 長期的に国際分散投資で資産運用していくことによって世界経済と企業利益の成長の果実を享受することが目標であるならば、不要なタイミングリスクはできるだけ小さくするために時間分散することが肝心です。

  

 買付時は定期積立投資をすることで時間分散をしてタイミングリスクを平準化することができます。また、売却時は定期換金サービスを利用することで時間分散をしてリスクを抑えながら資金を引き出し、資産運用を継続することができます。これらを組み合わせることによって、時間分散でリスクを抑えながら、世界経済と企業利益の成長を享受することを目指していくことができます。

 

 

継続は力なり

  

 資産運用をしていく上で、現在のような相場変動は避けて通ることはできませんが、大切なことは短期的な価格変動に一喜一憂することなく目標・目的に向かって資産運用を継続していくことです。上がったらもっと上がると思って買い、下がったらもっと下がるのではないかと怖くなって売ってしまい資産運用を途中で止めてしまっては資産形成をしていくことは難しいでしょう。

 

 資産運用の王道は、短期売買ではなく長期投資です。タイミングを見計らっての短期売買で継続して利益を出すことはプロでも容易ではありません。時間分散をしながら日本だけでなく世界の価値ある資産を厳選して国際分散投資を継続することで、リスクを抑えながら長期的に資産形成していくことができます。

 

 「継続は力なり」。このことは、仕事や勉強、スポーツだけでなく資産運用においても例外ではありません。資産運用もコツコツと継続していくことが成果を出すための近道になります。マーケットの変動が大きくて不安になる現在のような相場環境でこそ資産運用の目標・目的を再確認して、投資を継続していくことが大切になってくるでしょう。

 

 

今年は創立15周年

 

 弊社は、今年創立15周年を3月に迎え、8月にはありがとうファンドの第15期決算を迎えます。資産運用の世界では15年はまだまだ長期ではありませんが、投信の平均保有期間が約2~3年の日本において、税理士・公認会計士が立ち上げた金融ベンチャー企業として出資形態が変わることなく黒字経営を維持して15周年を迎えることができるのは大変有難いことであります。

 

 また、昨年は弊社が運用する「ありがとうファンド」が国際分散投資ファンドとして「R&Iファンド大賞2018」の3部門で優秀ファンド賞を初受賞することができました。これもすべてお客様をはじめ、株主、役職員、取引先、投資先の皆様のご支援、ご協力の賜物であると感謝しております。

 

 弊社は引き続き独立系の資産運用会社としての強みを活かして、親会社や系列グループの意向に縛られることなく、本当に良い投資先を厳選して様々な国・地域の価値ある資産に国際分散投資することによって、リスクを抑えながら長期で安定した運用パフォーマンスの提供を目指して参ります。

 

 また、ファンド運用と販売を自社で行う直販を一歩先へ進めて、お客様サービスとしてのアドバイスやコンサルティング、サポートを強化していき、FPサービスや提携先の専門家を紹介する39コンシェルジュサービスをワンストップでお客様に提供していきたいと考えております。

 

 これからもお客様の資産運用を一生涯サポートしていけるように、お客様に必要とされる存在を目指して、役職員一同精進して参りますので、今後ともありがとう投信を何卒よろしくお願い申し上げます。

   

 

  

 

ありがとう投信株式会社

代表取締役社長 長谷俊介

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