ありがとうの本棚(今月の一冊『ゴールド 金の世界史』)
ゴールド 金の世界史: 神話・マネー・政治・権力 世界を動かす普遍の価値
ドミニク・フリスビー (著), 中島 由華 (翻訳) 形式: 単行本
本書は、人類を魅了し続けてきた「金 ゴールド」を軸に、古代から現代にかけて政治、金融に及ぼした影響について書かれた歴史書です。デジタル貨幣や管理通貨制度が主流となった現代においても、なぜ金が普遍的な価値を持ち続けているのかを神話、経済、政治、権力の側面から紐解いていきます。
古代の王たちが神権の象徴として金を求めた時代から、大航海時代の探検家たちが血眼になって新大陸を目指したゴールドラッシュ、そして近代の金本位制の確立と崩壊に至るまで、人々が富と支配を求めていかに金を奪い合ってきたかということが様々な角度から描かれています。いつの時代も大規模な戦争や政治的野望の背後には、必ずと言っていいほど金が深く絡んでおり、権力の拡大と崩壊の歴史はそのまま金の移動の歴史でもあるということがよくわかります。
本書の中では「日本の山下財宝」や「ナチスの隠し財宝」といった歴史の裏側に潜む、都市伝説やフィクションに近いエピソードにも触れながら、権力者がいかに金を求め、支配の道具にしてきたかがつづられています。
金本位制が失われた現代においても、不安な時代が来るとなぜ人々は金に頼るのか、その理由が歴史の流れを通じて見えてきます。経済の仕組みや数字の解説だけでは見えてこない、人間ドラマや社会の裏側を描いた物語として興味深く読み進めることができるので、歴史の教養を深めたい人や現在の経済ニュースの背景を知りたい人にもおすすめの一冊です。
関連記事
| ありがとうブログTOPへもどる |