リスクを抑えた投資戦略 <月次レポート2018年2月より>

2018年02月09日(金)

 皆さま、いつもありがとう投信をご愛顧いただきまして誠にありがとうございます。いかがお過ごしでしょうか?

 

 先月は東京で数年ぶりの大雪が降って交通機関が混乱するなど大きな影響を受けましたが、株式市場も年初大きく上昇した後、月末にかけては調整する価格変動の大きな一ヶ月となりました。

  

 昨年は日本株だけでなく世界株式市場も20%以上上昇し、価格変動率(ボラティリティ)も株式市場としてはかつてない低い水準にとどまりましたが、今年に入って変動率は大きく上昇してきました。

 

 世界経済は拡大基調で、IMFの2018年世界経済の成長率見通しも3.9%に上方修正されており、ファンダメンタルズは悪くありませんが、一方で株式市場には過熱感があり、短期的な調整の可能性は十分にあります。特に米国株式市場は過熱感があり、金融緩和の出口戦略である利上げの影響を強く受けるものと考えられます。

 

 

 また、日本においては日銀が現在の異次元の金融緩和政策を継続することの限界が叫ばれている中、黒田日銀総裁の任期が4月に迫っており、再任も含めての後任人事とともに異次元金融緩和のマイナス金利政策、イールドカーブコントロールなどの変更、軌道修正があるのかに注目が集まっております。現在の金融緩和政策をこのまま継続していくことによる効果よりも副作用が懸念されてきており、特に日銀のETF買い入れは日本株式市場を官製相場にしている側面もあり、今後の調整局面の際には日本株の価格変動リスクが大きく高まる可能性があると考えております。

 

 短期的な調整はあるとしても、中長期で引き続き経済成長や企業の利益成長の恩恵を享受できるように、「国際分散×厳選投資」で長期投資をして参ります。国際分散では、相対的に考えて引き続き高い経済成長が見込める新興国市場及び景気が回復している欧州市場の伸びしろが大きいと考え、資産配分を時価総額に対してオーバーウェイトして調整リスクに備えております。また、成長ドライバーがあり、今後のメガトレンドに乗っている質の高い成長企業を厳選している優れた投資先ファンドに分散投資することにより下落率を市場平均よりも抑えることができると考えております。

 

 

 マーケットにはときどき嵐が吹き荒れることがあり、業績の良い企業も悪い企業もすべて売られるので、株価下落を避けることはできませんが、業績の良い企業の株価は企業利益に収れんしていきますので、短期的に売られたとしても落ち着けば適正な水準に戻ってくると考えております。

 

 弊社では、仮に相場調整局面が来ても慌てることがないようにリスク抑えたポートフォリオを構築しております。昨年の12月からは市場混乱期や調整相場において株式等の資産と逆・低相関の関係になる金ETFにも投資することをできるようにいたしました。

 

 

 次の図1では過去10年間の金と他の資産の相関係数を示しております。ご覧いただければわかるように株式や債券、為替に対して低・逆相関の関係がありますので、金に投資することによって高い資産分散投資効果を期待することができると考えております。

 

 

図1:金と他の資産との相関(2007年末から2017年末の10年間の相関係数)

  

 

出所:ファクトセットよりありがとう投信作成、金はNY金先物価格(ドルベース)

  

  

 

 また、図2ではリーマンショックやBrexitなどの過去の市場混乱期における各資産のパフォーマンスを表しておりますが、市場が大きく下落する局面において、金は株式や為替と逆相関の関係があることがお分かりいただけると思います。

 

 

図2:金のパフォーマンス(市場混乱期)

  

 

 

出所:ファクトセットよりありがとう投信作成、金はNY金先物価格(ドルベース)

 

 

 

 ありがとうファンドでは、上昇局面で無理に上値を狙うといった運用よりは市場全体が下落する局面にて市場相対で下げ幅を抑制することにより結果的に長期で安定したパフォーマンスを提供できると考えております。

  

 その源泉としては、①実績のある投資先ファンドによる成長企業の厳選、②国・地域別資産配分の見直し・調整、③金ETFなど株式市場と相関が低い資産を組み入れることによる資産分散を主に考えております。

 

 これからもダウンサイドリスクを抑えて安定した運用パフォーマンスの提供を目指して、お客様の資産運用を一生涯サポートしていけるように役職員一同精進してまいりますので、今後ともご愛顧いただけますように何卒よろしくお願い申し上げます。

  

ありがとう投信株式会社

代表取締役社長 長谷俊介

   

 

 

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