初心に立ち返ることが大切<月次レポート2025年4月より>
2025年04月04日(金)
皆さま、いつもありがとう投信をご愛顧いただきまして誠にありがとうございます。4月になり新年度を迎えましたが、いかがお過ごしでしょうか?各地で桜が開花する中、気温が低下し冬に逆戻りしたかのような日々が続いておりましたが、体調を崩されないようにくれぐれもご自愛ください。
さて、先月のマーケットですが、トランプ政権の関税強化策によって、世界的な景気減速懸念が出てきたことなどから米国株を中心に調整して総じて低調なパフォーマンスの1ヶ月となりました。
特に米国株はこれまで大きく上昇していたマグニフィセント7に代表される大型ハイテク株や生成AI半導体関連銘柄を中心に売られて、ナスダックは月間で-8.2%、S&P500は-5.8%、NYダウは-4.2%の下落となりました。一方、欧州株は月の半ばまではウクライナ停戦・和平による復興需要期待、中国の景気回復期待が相場を支えて戻す場面もあり、月末の調整の下げ幅は米国株ほどではありませんでした。日本株についてもトランプ関税発動による悪影響を懸念して、鉄鋼や自動車関連など景気敏感株を中心に月末にかけて大きく調整して、日経平均株価は-4.1%の下落になりました。
一方で、新興国株についてはインドや中国株が上昇したこともあり、月末に調整しましたが小幅に上昇して1ヶ月を終えました。また、不確実性の高まりから株式市場が総じて調整する中、金(ゴールド)が買われて月末には史上最高値を更新し、1オンス=3100ドルの大台を突破しました。為替相場については、ドル円レートは月半ばにやや円高方向に振れましたが月末にはほぼ前月末の水準である1ドル149円台に戻しました。ユーロ円については前月末1ユーロ155円台から円安方向に振れて1ユーロ162円台で月末を迎えました。
そのような中で、ありがとうファンドは月間で-1.8%の下落となりました。米国株ファンドを中心に投資先ファンドが大きく下落する中、金ETFが大幅に上昇したことによって下げ幅を抑制することができました。
今後の見通しですが、米国トランプ大統領の通商・関税政策にマーケットや世界各国が振り回される展開が続きそうです。アメリカが自国第一主義に向かう中、トランプ政権の保護主義的な経済政策はこれまでのグローバル化の流れに逆行するものであり、世界経済が分断されていくリスクが高まってきていると考えられます。
世界中から安い商品を調達してグローバル化の恩恵を最も受けていた米国の方針転換は、サプライチェーンの混乱だけではなく、あらゆる分野に影響を及ぼし、ある意味でゲームチェンジが行われることになり、日本を含めて世界中の国が大きな影響を受けることになるでしょう。そして、米国にとってもインフレの高止まりや企業収益の悪化等による景気減速、経済の下押しリスクを高めていくことになると思われます。
一方、トランプ大統領は長引くウクライナ戦争の早期停戦・和平を目指してロシアのプーチン大統領と交渉をするなど、米国主導での停戦・和平交渉への具体的な動きが出てきており、停戦や和平がもし実現することになれば、米国一極覇権から多極化への地政学リスクの変化だけでなく、ウクライナ復興需要やロシアへの経済制裁解除など、世界経済や資源・エネルギー価格等にも大きな影響を及ぼすことが予想されます。
今後も世界経済は米国トランプ政権の政策に大きく左右される不確実な状況が継続していくと考えられますので、世界株式市場はボラティリティの高いマーケットになると思われます。また、昨年まで大きく上昇していた米国株は他の市場に比べて短期的には大きく調整する場面も増えてくると考えられますが、こういう局面でこそ価値ある企業を厳選して長期投資していくことが大切であると考えます。
ありがとうファンドでは、引き続き国際分散投資で世界経済と企業の成長の恩恵を享受しながら、イベントリスクやインフレリスクのヘッジとして金(ゴールド)への分散投資を継続することでリスクを抑制していきたいと考えています。
初心に立ち返ることが大切
新年度になり新生活を始められる方や、春なので何か新しいことを始めたり、チャレンジされたりする方もいらっしゃると思います。年齢を問わず、新しいことを始めたり、チャレンジすることはとても良いことだと思います。
一方で、このタイミングでご自身の資産運用の目的・目標を思い出して、初心に立ち返ってみてはいかがでしょうか。
資産運用を長期で継続していくのは単純で簡単なように見えますが、誰でも実践できるわけではありません。マーケットの値動きに一喜一憂してしまい、必要がないのに売買を繰り返してしまったり、もっとよい投資商品はないかと新商品や人気商品に目移りして乗り換えてしまったりした結果、結局運用成果が思ったほど出なくて止めてしまい、長期で続けられない人が少なくないようです。
昨年スタートした新NISAも非課税メリットにつられて始めたものの、利益が出ていない状況で売却してしまっては非課税の意味がなく、長期で資産運用していくことが大前提になります。資産運用では継続していくことが大切ですが、継続するためには自分の目的・目標を明確にしておくことが大事になってきます。
世界経済は先行き不透明で相場変動の大きなマーケットがしばらく続きそうですが、弊社ではお客様の資産運用の目的・目標の達成に向けて、これからも一緒に伴走していきたいと考えておりますので、今後ともありがとう投信をご愛顧いただきますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
ありがとう投信株式会社
代表取締役社長 長谷俊介
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