日本市場のレベル
例えば、昨年10月に日経平均で800円以上急落した10/24の、主な株式市場の下落率をみると、下げがきつい順にロシア、インド、日本、香港、ブラジルと続きます。このように、日本の市場は総じて値動きが荒いですね。上といえば上、下といえば下、ワーッとどちらかに突っ走る姿は、お世辞にも洗練されているとは言えません。
また、こういった特殊な局面に限らず、日本の株式市場は大体いつも海外市場の動向を横目で見ながら推移し、主体的な動きはほとんど見られません。その日の相場展開は、朝に、夜の間の海外マーケットの結果を確認すれば、あらかた予想がついてしまいますし。
ところで、株式投資において、アクティブに銘柄選択をして投資しても株価指数以上のパフォーマンスを上げ続けることは難しいという『インデックス神話』がありますが、インデックス投資がそれほどのパフォーマンスをあげるとすれば、それには条件があります。それは市場が効率的であるということです。
効率的であるとは、ある銘柄についての何らかの情報は、瞬時に市場参加者全員に伝わる、つまり情報の優位性というものが発揮できない状況のことです。もちろん「完全に」というわけにはいかないので、その不完全さの分だけはアクティブ運用にも分がある(その程度しか勝ち目がない)というわけですが、米国市場などは、それなりに効率性が高いとされています。
では、日本の株式市場はどうでしょうか? これはお察しの通り、多くのエマ-ジング市場と同じく効率的とはいえないということが実証されています。このことは、アクティブ運用に大いに勝ち目があるということですから、アクティブ派の私たちにとって喜ばしいことではあります。しかし、何らかの情報をつかめばそれを利用してリターンをあげることが容易にできるという意味ですから、なるほどインサイダー取引が後を絶たないわけですね。このあたりからも、日本市場の洗練度は低いと言わざるを得ないようです。
この程度の話で結論づけるのも少し乱暴ですが、日本市場はまだまだエマージングレベルにあるということかも知れません。本をただせば、こういった現象は全て市場参加者の行動の結果なのですから、市場を成熟させるためには、私たち投資家自身が成長していくしかありません。
ありがとう投信ファンドマネージャー 岡 大
2009.5.18

