危機を越える意思
先日の運用報告会で以下のようなデータをご紹介しました。
過去の住宅バブル崩壊後の経済への影響に関するものです。

(BCA Research)
今回の米国の住宅バブル崩壊による価格の低下が最終的にどの程度になるかはまだわかりませんが、単純に上に挙げた例を当てはめると更に15%-20%の下落はありうることになります。アメリカ人は貯蓄をしないと言われていましたが、これについても過去の例を考えると貯蓄率が上昇する可能性は高いでしょう。そして消費が低迷することも過去の例は示しています。
住宅バブルの崩壊と金融システムへの打撃は、信用創造(お金の貸し借りが増えること)の低下と需要の減退を引き起こして、一般の経済活動に大打撃を与える可能性があります。
これを受け止める覚悟は、まず全ての人に必要だと思いますが、同時にどの国でも打撃の程度を軽くするためにあらゆる手段が取られるでしょう。危機の震源地のアメリカにおいても新しい大統領が決まり次第様々な策が練られて表面化するでしょう。今回の危機はグローバル化した金融システムを通じて世界の多くの国に波及してしまったので、新興国を含めて多くの国々で需要創造のために様々な政策が打ち出されることになると思います。
日本も例外ではありません。
これからは「政策の構想力」が大事になってくると思います。従来にない政策を打ち出すことで単なる経済政策以上の意思を示すことが可能になるからです。それが国民を勇気付けて不況を克服する力が増すことになります。
日本も、過去に手がけたありきたりの経済対策ではなく、将来を見据えて力づけられるような構想が出てくるのが望ましいと思います。
同時に私たち個人としても行動を起こす時ではないでしょうか?
私たち一人ひとりが新しい行動を示すのに併せて政策が打ち出されるのであれば更に素晴らしいと思います。
今回訪れるであろう不況は大恐慌以来の酷いものだという説が強いのですが、当時に比べれば世界経済ははるかに強く賢くなっています。知恵と力を出せば怖いことはありません。
国も個人も腹を据えて踏み出すことを問われているのは今です。
ありがとう投信ファンドマネージャー 村山 甲三郎
2008.10.16

