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ファンドマネージャー便り

成功の後に来るもの

昔「カラマーゾフの兄弟」を読んだ時、「成功した人はやがて自分を尊敬するようになる」という文章を見つけてとても印象が深かった記憶があります。正確に申し上げれば、どんな話だったかも忘れてしまったこの小説の中で唯一記憶に残っているのがこの文章です。塩野七生さんの「ローマ人の物語」にはカルタゴとの戦いに勝利したポエニ戦役の話として「成功したものは頑固になる」と書かれていました。今テレビで放送されている「風林火山」の中で、連戦連勝を続ける武田晴信(後の武田信玄)は「(勝利を続けることによって)負けることが怖くなった」と言っていました。

人間の心理として「うまくいった」あるいは「うまくいっている時」の後に来る気の持ち方はどうなるのでしょうか?

個人投資家の運用を考えてみましょう。ここしばらく、あるいは測り方によってはかなり長い間、一般的な「運用環境」は好調です。(少なくとも今までのところは)例外として新興市場の2005年の異常な盛り上がりに参加して痛手を負った方を除けば、外貨投資もリートも世界の株式もどれも好調です。運用の成果としては「成功」された方が多いのではないでしょうか。

さて、運用に成功した多くの方々で先ほどの3つのタイプのどれかに当てはまる方はいらっしゃるでしょうか?

翻って、もし長期投資の立場に立つのであれば、途中の運用がうまくいった(高いリターンが出た)としてもそれはあくまでも「長い旅の途中の出来事」と捉える気持ちの余裕があります。特にその為に奢ることもなく、かといって恐怖を感じることもありません。ましてや頑固になったり自分を尊敬することなどありえません。落ち着いた気持ちを持続することが出来るのが長期投資の最も良い点の一つだと思います。

ありがとう投信ファンドマネージャー 村山 甲三郎
2007.7.11

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