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ファンドマネージャー便り

価値と時間(ターナーの教え)

先日テレビの美術番組でウィリアム・ターナーのことを放送していました。ターナーと言えば19世紀を代表するロマン派の風景画家、と紹介されますが、番組では若くして才能を世間に認められ富も名誉も得たターナーが晩年には新しい画法に挑戦し、その成果を世間に認められずに寂しく世を去った、と語っていました。ターナーの才能は素晴らしかったので15歳ですでに作品がロイヤルアカデミーに展示され、20歳のころには作品は引く手あまただったそうです。その後も順調に富と社会的名声を得たのですが、次第に作風が変化して社会に受け入れられなくなったそうです。その後彼の評価はどんどん低下して行き、最後は偽名を使って住んでいたアパートで1人寂しく亡くなったそうです。

この話と「運用」がどんな関係があるのでしょうか?

ターナーの死後20年以上経ってから「印象派」という手法が現れ世の中に熱狂的に受け入れられます。セザンヌをはじめ印象派の画家たちがこぞって自分たちの画法の先駆者としてターナーの後年の作品をたたえたそうです。それから年月を経て「印象派」の評価は高いままです。すなわちターナーは「本物の価値」を先駆的に見つけ出していたのです。

「時間を越えて価値を見出すこと」という点ではターナーの話と「長期投資」にはどこか通じるところがあると思います。

もっとも「生きている間には全く評価されずに死んだ後に評価される」運用では困る、とお考えの方も多いでしょう。それはご心配には及びません。「本物の価値」を求める人間の気持ちというのは非常に強いものです。もし本当に価値があるのであれば、数十年どころかその価値はどんどん「発見」されて行きます。問題は時間を越えて見出される価値を感じる感性があるかどうか、だと思います。

ありがとう投信ファンドマネージャー 村山 甲三郎
2007.5.24

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