美人投票の翌日
ケインズという有名な経済学者の本の中に「株式投資を美人投票になぞらえた」話が出てきます。美人コンテストの候補者100人の中から6人を選ぶという状況で、「自分が美人だと思う人」ではなく「他の投票者が投票するだろう人」に投票すると勝利を得るシステムに似ている、と述べています。皆がこぞって買えば株価は上昇するでしょう。正に「他の人が美人だと思う人に投票する」行動がリターンに結びつくわけです。
お話を変えて、これが株ではなく本当に「美人」に投票する「美人投票」だったとしましょう。投票した人は見事に「多くの人に選ばれる美人」に投票できました。よかった!
翌日、偶然自分が投票した「美人」と知り合いました。実は「少し冷たい感じで自分の好みではないな」と思いながら「他の人に気に入られるだろう」という基準で投票していたのです。案の定、お付き合いしてみると気まぐれでとても付き合いにくい人でした…という状況はいかにもありそうですよね?
株式投資を「その場限りの美人投票」と捉えればケインズ先生のおっしゃるとおりです。しかし、「後々までお付き合いする可能性」を考えればやはり「自分が納得する美人」でなければ投票した後に後悔します。あるいは「料理が上手」とか「マッサージが得意」な人のほうが「美人」よりもお付き合いしたいかもしれません。
「ありがとうファンド」のような「長期投資ファンド」は「長いお付き合い」に基本を置いています。ケインズ先生、悪しからず。
ありがとう投信ファンドマネージャー 村山 甲三郎
2006.10.20

