11月1日(水)
【国家百年の計】
全国各地の高校で発覚した必修科目の履修漏れ問題。最大の被害者はセンター試験を数ヶ月後に控えた受験生であることは言うまでもない。問題の根源はどこにあるのか。
この問題の多くは、「大学合格率を上げるため」とされているが、本当に生徒のためになっているのか甚だ疑問である。私が卒業した県立高校は、伝統校であるが故、創立当初から文武両道が徹底され、3年間で文理系科目問わず全ての教科を履修した。「男たるもの学問も運動も疎かにしてはならない」というのが、先生方の口癖だった。そのため授業ペースは恐ろしい程速く、やっとの思いでついていったが、2年生の終わりにはほぼ3年間の授業を終えていた。それに部活動が加わる。大変な毎日だったが、非常に充実した高校生活を過ごせた。また文理両方の科目の履修のおかげで、その後の進路の選択肢が広がったような気がする。
3学年の夏まで法学部に進む予定でいた友人が、夏休明けに突然「医者になる!」と、周囲を驚かせ、残りの半年で見事国立大の医学部に合格。現在は法医学者として働いている。「理系の科目も同じように履修し、基礎学力を身につけていたために突然の進路変更にも対応できた」と彼は言う。その他にも文転(理科系大学に進む予定であったものが文系に変更)、理転した友人が大勢いる。
文科系に進路を定めていた私も、「受験に必要のない」と言われている幅広い教科に触れたお陰で、幅広い分野に興味を持ち、何事にも論理的に物事を考える姿勢が身についた。
教育とは目先の利益に走ってはならず、100年先の国造りに通じる大切な事業であると言われている。「生徒のため」と名を打った教育が、本当に彼らのためになっているのか。問題の渦中で不安な毎日を過ごす受験生のためにも、早急な解決を期待したい。
11月2日(木)
【ネクタイは誰のため?】
社会人になりたての頃は、初めて締めるようになったネクタイに仲間のみんな関心がありました。同期の友人のW君は「自分のネクタイは自分では見られないからこれは自分のために締めているのでない」と意味の良くわからない主張をしていました。学生時代の生活と大きく変わったのが「ネクタイを締める習慣」だったので、「ネクタイとは何ぞや?」という疑問があったのでしょう。初々しいというかまだ若かったわけです。歳を取るとそんな疑問などかけらほどもなくなります。
最近親戚からネクタイを何本かもらいました。もらい物なので当然自分で選ぶものとは感覚が違います。自分にとって新鮮だったのは、締めてみるとその明るい色合いでずいぶん気分が変わることでした。
先ほどの友人の主張に戻って考えてみると、確かに自分のネクタイは自分では見にくいですが、締める時や鏡の前に行く時には眼に入ります。久しぶりにネクタイを貰ったおかげで昔のW君の話を思い出しました。
W君、「ネクタイは他人に見せるためのものだけじゃあないよ」
長いこと会っていませんが、果たして彼はまだネクタイをする生活をしているでしょうか?
11月6日(月)
【人材問題】
先日書店に行ったときある本を見つけた。本のタイトルは『若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来』(光文社)。
内容は昨今いろいろ指摘されている成果主義の問題点を中心に、企業側の安易な人件費削減による非正規労働者増大による問題点等を指摘している。一読して、最近の新聞や雑誌等でよく取り上げられている苛酷な労働実態や人手不足等の人材問題の記事を理解しやすくなった。
それにしても、ここ1、2年前から人材問題に関する本や雑誌の特集を頻繁に見かけるようになったと感じる。団塊の世代が大量退職する2007年問題の影響もあるだろうが、企業業績が上向き、景気回復が叫ばれ始めた時期と重なるのは偶然だろうか。もしかしたら企業が必死になりふりかまわず業績を向上させてきた負の側面が表面化してきたせいかもしれない。
いずれにせよ、人材問題をいかに解決していけるかが、これから企業が生き残っていく上で課題になってくるだろう。そして、投資をするときも企業が人材問題にどのように取り組んでいるかを見極めることが今後ますます大事になってくると思う。
11月7日(火)
【温故知新】
先日の社員旅行で訪ねた甲府では、戦国時代最強といわれ、かの織田信長でさえ直接の戦いを避けたと言われている「武田信玄」の面影に接する機会に恵まれ、旅程から天気まで大変すばらしく、お蔭様で大変心に残る旅となった。
甲府市古府中にある武田家三代の居館であった「躑躅が先の館」や、特に自分が気に入った所は武田信玄の菩提寺である「恵林寺」であった。寺の上段は見事な枯山水、下段は心字池と築山という二段に構える庭園もさることながら、信玄の墓を擁する林の中は何とも言えないどっしりとした重厚な空気が武田信玄を忍ばせるに十分な雰囲気を醸し出していた。
戦国時代、甲斐の武田信玄は越後の上杉謙信との「川中島」での戦いや三方が原の戦いで徳川家康を打ち破った事、最強軍団を擁して上洛の途中で病没した“豪傑”であった事・・・程度の知識しか持ち併せていなかった自分であるが、今回の旅で、これまで肖像画やドラマなどを目にして勝手に抱いていた信玄像を見事に覆させられ、大変興味深い人物であることを史跡を巡ったり資料を読んだりしてしみじみ感じた。それ以来、関連する小説を読み始めているが、その繊細かつ緻密、そして人への配慮や厳しさなど、知れば知るほど魅力的な人物である。
今回出会った信玄の言葉で:「およそ軍勝五分をもって上となし、七分をもって中となし、十分をもって下と為す。その故は五分は“励”を生じ七分は“怠”を生じ十分は“驕”を生じるが故。たとへ戦に十分の勝ちを得るとも、“驕”を生じれば次には必ず敗るるものなり。すべて戦に限らず世の中の事この心掛け肝要なり。」
これまで勝負事では“けちょんけちょん”に100%相手を打ち負かす事が“鉄則”で、何が何でも勝てば良いと教えられて来たが、そこには心の持ち方が大切である、という教えである。まして、「勝負事だけではなく全てにおいて」というこの言葉に今回触れた事も何かの縁であろう。今一度良く噛みしめてこれからの生活に生かしてみたいと思うと同時に、信玄の生き様をもう少し探究することにより、自分が気付いていない何か新しい発見が出来そうな気がするのである。
11月8日(水)
【芸術の秋】
上野公園にある国立西洋美術館では今、「ベルギー王立美術館展」が開催されています。
その中には、私が最近興味を持っているルネ・マグリットという画家の作品も展示されています。この画家の作風は一見理解しがたいような絵を描きます。
“シュルレアリスム”とよばれる芸術的形態で、絵は写実的に描かれているのだけど、そこに描かれてあるもの同士がありえない組み合せ(夜の家の風景と昼の晴れた空が組み合わさった絵や、暖炉の中から汽車が出てくる絵など)となって描かれた絵で、なんとも不思議な感じがします。
一見奇妙な絵で、見ている人が混乱するような内容だけど、絵は写実的に描かれているために現実的に思える、例えるなら、寝ているときに見るような“現実的だけどありえない”夢のようです。そんな夢を現実の世界で見ているような感覚に陥り、奇妙だけどずっと見ているとなぜか親しみが沸いてきます。表面上のものを見て楽しむだけでなく、自分のどこか深いところにある思考を目で見ているような、そんな作品です。
今度の休日に行って来ようと思います。
11月9日(木)
【本物は眩しい】
今マンションが熱い!今後の金利先高感を背景とした駆け込み需要か、景気回復の影響か定かではないが、首都圏に限らず日本全国でマンションの販売が伸びているという。しかし、華やかなマンション業界の裏には、連日日経新聞紙上も報じられているように、修繕積立金の積立不足に陥っているマンションが過半数を上回っているという厳しい現実も。
日本のマンションの寿命は平均37年。建物の内部を縦横に走る水道管が老朽化し、結局は建替えを余儀なくされる。こうした時に備えた修繕積立金の残高不足は深刻な事態だ。
ならば、「100年以上住めるマンション造りを目指そう」というデベロッパーが最新の建築工法を取り入れ、販売に乗り出している。先日の経済番組で特集されていたのでご覧になった方も多いだろう。老朽化に備えた水道管の外付け工法、密度の濃いコンクリートの利用、従来とは180度異なる外断熱加工と、北欧で取り入れられている最先端加工を施したマンションが都心にお目見えした。
しかし問題はコスト。1割以上販売価格が上がってしまうこの工法では思うように販売が伸びないらしい。「本物」を伝える難しさは、どの業界にも共通の悩みなのか。
時の流れが生み出す風情ゆえ、中古マンション販売価格が、ときには新築のそれを上回る北欧の住宅事情。100年前と変わらぬ街並みがそこにはある。一つの物を大事に使い続けるという昔からの道徳観を忘れかけていた自分には、目先の利益に振り回されず「本物」を追求するこの企業が眩しく見えた。
また一つ、個人的に応援したい企業が増えた。
11月10日(金)
【富士山観測所】
今年の東京の秋は気温が高めです。
ところで、先日山梨に社員とその家族で旅行に行きました。社員の何人かが「ありがとう便り」ですでに報告していますが、楽しい旅行になりました。その時、やはり気になったのは「天気」のことです。事前の天気予報では、土曜日は「晴れ」、日曜日はぐずついて気温が下がる、となっていました。「甲府は盆地だから寒いに違いない」と覚悟していましたが、結果は両日とも晴れて暖かくなりました。
そのとき話題になったのは「最近天気予報が当たらないね」ということでした。調べてみると天気予報の的中率は80%くらいだそうです。もっとも的中率の基準は「雨が降るか降らないか」なので「晴れ」の予報で「曇り」でも「当たり」に入るそうですから、やや割り引いて考えた方がよいのでしょう。
旅行中の会話で、予報が当たらなくなったのは「富士山測候所」が無人化されたからではないか、という意見が出ました。調べてみると、2年前の平成16年10月1日で常駐観測が終了し、観測内容も風向き、風速の観測が中止されています。
富士山の測候所で働いていた人たちのご苦労は大変だったでしょうが、やはり「人の眼」で見た情報が失われたことが天気予報の精度を落としているのではないかという説でした。我々の旅行の時の天気予報は幸い良い方に外れてくれました。(社内に強力な「晴れ男」がいたという説もありますが)
良い天気に恵まれて「お天道様に感謝!!」の2日間でした。
11月13日(月)
【帯広豚丼】
先週、会社の近くに豚丼のお店が出来ました。豚丼といっても普通のチェーン店で食べる豚丼とは違います。北海道の帯広豚丼です。豚肉は十勝豚のかみこみ豚ロースを使用していて肉厚があり、ボリューム満点です。たれに絡めて焼いた豚肉は霜降り牛のようにとてもやわらかくジューシーです。大盛況のためオープン3日目には豚丼が売り切れてしまったそうです。
もともと豚丼は北海道の帯広が発祥の地で、開拓の際につれてきた豚を牛丼のように食べたのが始まりだそうです。この豚丼を一度食べてしまうと、BSE問題で牛丼の代替メニューとして開発されたチェーン店の豚丼では物足りなく感じてしまいます。また、夜は和風ダイニング居酒屋になり豚丼だけでなく、北海道のほっけやししゃも等の魚介類や、十勝ワインや北海道焼酎などのお酒も楽しめます。
値段は少々高めですが、もしこちらに来る機会があれば皆さんも是非一度立ち寄ってご賞味してみてはいかがですか。おすすめします。
11月14日(火)
【Value Added Tax】
昨夜、帰宅途中に“牛乳を買い忘れた”と家内からの連絡が入り、普段、滅多に行かない近所のスーパーに立寄った時にふと思った事である。【表題】は、ヨーロッパで採用されている「付加価値税」で、通称“ブイ・エー・ティー”とか“バット”と呼ばれ、日本の「消費税」に相当する“間接税”である。ヨーロッパへ旅行された方が、現地でお土産などを購入した際にチャージされたVATを、帰国の際に空港で「還付請求」された方も多いのではないだろうか。
かつてロンドンに住んでいた頃のVAT税率は確か15%であった。何と消費税の3倍!!である。税率を見ると“高い!!”と、驚かれると思うが、実際に生活していてあまり気にならなかったのは何故だったのか・・・。
当時、週末の土曜日は必ず一家総出で一週間分の食料を大型スーパーやショッピング・センターへ、車のトランクが満杯になるほど買出しに出掛けたが、それら食料品には基本的にVATが掛からないのである(外食やTake away(お持ち帰り)などは例外)。日本では牛乳一パックでも消費税が掛かるが、英国では日常の生活必需品に対するVAT税率は“ゼロ”なのである。その他クスリ(もちろん街の薬局で購入出来るもの!!)や書籍も然り、確か、サッカー(現プレミアリーグ)の入場料も免税対象だったと思うが、サッカー観戦の場合は、本場の熱狂的な雰囲気と応援(大合唱)のど真ん中で周囲と一体になり、“これぞ英国サッカー”と感動の嵐に巻き込まれていた為、“VAT”どころの話しでは無かったのが事実である。
日本では近い将来に実施されるであろう消費税の増税を、「サブミナル効果」を狙うが如く、選挙の時など折につけ触れているが、取り易い所から確実に取って行くには、厄介で複雑な「所得税」などの直接税の増税に手を付けるより、消費税率を上げてしまう方が手っ取り早い事は想像に難しくない。
何はともあれ、遅々として進んでいるように見受けられない「財政歳出削減」をアグレッシブに進めていただき、無駄を省いた上で、それでも消費税の増税が避けられないのであれば一層の事“消費税”を廃税にして、英国のような“付加価値税”を導入し、あくまでも“付加価値”に対して税を課し、一般庶民の日常生活における“電気、上下水道、ガス”などの生活の基盤であるインフラに掛かるコストや、人が生きて行く上で最低限必要な“食料品、医薬品など”に対しては免税にし“美しく、(国民に対して)思いやりのある日本”を創るべきではないか・・・と、頼まれた牛乳パックを手に、レジで順番待ちしている間に考えたのだが、如何なものだろう?
11月15日(水)
【反省】
妻がこのところ体調が悪く、ついに風邪をひいてしまいました。
妻が風邪で休んでいる時や、休日出勤がある時など、悩むところが夕飯の準備です。こういった場合私が準備するのですが、なんせ料理などほとんどしたことがなく、一人で出来ることといえば、麺類をゆでること、カレーを作ることくらいしかできません。
もっとちゃんとしたものが作りたいと思い、家に何冊かある料理本を手に色々試そうとしたのですが、大体の本は作り方を読むと、基本的な作業は省かれて説明がされているため、全くわからず…。自分の中の想像力を駆使してなんとかそれらしく作れたのですが、台所をありえないくらい散らかしながら作った料理は、味見もせず、盛り付けも悪く…結局妻に毒見をさせ、余計体力を奪ってしまうことに。
何事にも基礎から勉強しないといけないという当たり前のことを、料理を通して痛感しました。日常から少しずつでも、食事の準備を手伝っていきたいと思います…。
11月16日(木)
【手帳】
毎年この時期になると、街の書店に手帳売り場がお目見えする。各社工夫を凝らし、差別化を図ろうと必死だ。
「貯蓄から投資」を反映してか、お気に入り銘柄を書き込み、日々値動きを書き込んで行くことができる仕様のもの、一見普通の手帳に家計簿が組み込まれているもの、体重の増減を記録していけるダイエット手帳なるもの、多種多様な品揃えに驚く。
ただ、その中でも毎年ほとんどデザイン、内容とも不変のロングセラー商品が今年も定位置で存在感を放っていた。その名は「県民手帳」。県の統計データや、官公庁の電話番号、過去5年分の天気等、市町村の統計課が総力を結集して作成する一見「お堅い」イメージの手帳だが、毎年確実に売れ続けている商品だという。特に、長年地元に住み続けているお年寄りには、地域の変遷がコンパクトに纏められているため、評判が高いようだ。
書店のどの場所よりも人だかりができていた手帳コーナー。もう少しの間「読み比べ」をしてみようと思う。
11月17日(金)
【39(サンキュー・ありがとう)】
昨日の弊社ではお祝い事が重なりました。
- 「ありがとうファンド」の純資産が39億円を超えました。39というのは弊社にとっては縁起のよい数字ですので社内ではお祝いムードです。
- 「ありがとうファンド」は前日の組入れファンドの基準価額を基にして、基準価額が決まります。その意味ではありがとうファンドの39億円越えは、実質的には一昨日決定していたのですが、一昨日は弊社に縁の深い方の36回目の結婚記念日でした。
- 上記の2つのお祝いで社員はお昼にうなぎ弁当をいただきました。(ごちそうさま!)
ありがとうファンドの純資産の変化を振り返ってみますと、弊社の社員が1人加わった昨年の10月には9億7千6百万円でした。それからすると今は3.99倍に増えました。もう1人社員が加わった今年の7月最初の純資産は27億8千万円でした。それから4ヶ月あまりで純資産は1.4倍になりました。
純資産ではなく基準価額の伸びで見てみますと昨日現在でありがとうファンドの設定来の年率複利の利回りは11.96%です。ちょっと仮定の話で皮算用をしてみます。先ほどのカップルのように幸せな結婚が36年続くケースで、結婚の記念にもしも100万円をありがとうファンドに投資していて、幸い年利11%の運用が長期投資で出来たとすると36回目の結婚記念日には4200万円あまりの財産ができていて、豪華な食事で乾杯!という計算になります。
ありがとうファンドはまだ2年ですから偉そうな事は言えませんが、例えばさわかみファンドはもう7年を経過して設定以来の利回りは8%を超えています。こういった長期投資ファンドを利用される方がこれから更に増えてくると思います。弊社も次には390億円、3900億円とお祝いを重ねてお客様の資産を増やすお手伝いをしていければと願っています。
39億円の純資産をありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。
11月20日(月)
【企業分析】
最近、面白い本を読みました。タイトルは『スリッパの法則―プロの投資家が明かす「伸びる会社・ダメな会社」見分け方』(藤野英人著、PHP文庫)です。「スリッパに履きかえる会社に投資すると不思議と儲からない」や「極端に美人の受付嬢がいる会社は問題がある」などでご存知の方も多いと思います。私もスリッパや美人の受付嬢の話は聞いたことがありましたが、きちんと本で読んだことはありませんでした。
著者の藤野英人さんは、独立系の投資顧問会社レオス・キャピタルワークスの経営者でありファンドマネージャーでもあります。十数年間のファンドマネージャーの経験と四千社を超える企業訪問をもとにして書かれた法則は、本人が半分冗談半分まじめと言っているように科学的・学問的な裏づけはありませんが、妙に納得させられるところがあります。
企業分析においては、定量的評価と定性的評価がありますが、この本を読んで実際に企業訪問をして会社・経営者・社員の質を見極める定性的評価の重要性を改めて認識させられました。そして、投資だけでなく普段の仕事や生活の中でも、周りの評価や評判だけを信じて物事を判断しようとするのではなく、直接自分の目で見て確認し、自分で考えることがとても大切であると思いました。
投資に興味がある方だけでなく、社会人の方やこれから就職活動をはじめる学生の方も一読されることをおすすめします。きっと色々な意味で参考になると思います。
11月21日(火)
【テイスティング】
先週、お客様に誘われて品川プリンスホテルで開催されていたワインの試飲会(テイスティング)へ参加させていただいた。主催は、1675年からドイツでワインの醸造を生業としている「ピーロート」家が設立した会社の日本法人である。お客様からの連絡で、「ドイツ」そして「ワイン」と聞いた瞬間、「甘~いワイン」をイメージしてしまったが、この日本現地法人は輸入販売(市販は行っていない)を行っており、ドイツワインだけでなく、フランスはじめ世界16カ国から1200種類を超えるワインを扱っているとの事で、試飲会ではドライ(辛口)ワインが好きな自分は、結果的にドイツワインの試飲は無かった。
試飲会のスタイルは、先日、「甲府のワイナリー」で行った様に、並べられているワインを自分の好みで片端しから試飲するもの、と思っていたら然にあらず、テーブル席に案内され、今回誘っていただいたお客様の担当者という人が付きっ切りで、我々の好みを一通り聞いた上で銘柄を選択し、順々にボトルを持ってきてくれるのである。なお、その担当者の襟元には、あの金色に輝く“ぶどうのバッジ”(呼び方が分からない)が付いていた。“ソムリエ”である。何でも最近試験に合格したとかで、ワインに例えると“ボジョレーヌーボー”のような若い青年が一生懸命接待してくれたのである。
試飲のスタートは、気泡の細かい“ボアゼル”の美しいロゼのシャンパンで始まり、フランスワインを11種類、イタリア3種類、南アフリカ、ニュージーランド各1種類の合計16種類ものワインを2時間かけて若いソムリエの薀蓄を聞きながらいただく事が出来た。
並んでいるワインは国内で市販されていない事もあり、これまで出合った事も無いワインばかりで、当たり前であるが、普段、ど素人の自分が街中で購入するワインとは歴然と違うものであった。
ゆったりと流れる時間の中で、ソムリエとお客様と一緒に素晴らしいワインをいただきながら、“大人の時間”を過ごさせていただいた。
試飲した中から大変気に入った「ボルドー」のサンテミリオン産の赤、「ブルゴーニュ」の赤と白、北イタリア、ロンバルディアで生産されているオーク樽の香りが絶妙なシャルドネのワインを此の時とばかり少々奮発して購入した。中でも一番気に入った「ボルドー」の赤は、昔、ロンドンで仕事とワインの味を教えていただいた“大阪の知人”へプレゼントしようと早速手配した。
11月22日(水)
【日展】
上野公園にある東京都美術館で毎年開催されている「日展(日本美術展覧会)」に行ってきました。今年もすばらしい作品が多々ありました。ただ、日展に参加している作家の方々の大発表会ですので、ジャンルごとに展示された作品の数は膨大にあり、一日で全ては見てまわれないほどです。鑑賞しにきた人が知人の作品がどこにあるのか係員に聞いている姿をよく目にしました。今回も私は工芸美術(特に陶芸)を中心に見てきました。
「日展」は来年で開催100年を迎えます。それを記念して来年からは東京での開催地を、六本木に新しくできた「国立新美術館」で開催するそうです。
東京都美術館は大きいのですが、1フロアごとは狭くて移動が大変です。国立新美術館は1フロアがとても広く、フロアを自由に区切ることが出来る可動式の仕切り板があるそうなので、よりよい展示方法がとれると思います。
ただ、これで上野公園での「日展」が最後となるのも名残惜しいです。秋の紅葉のきれいな上野公園の中央広場を通って木々の中に入っていくとある東京都美術館。美術館がなくなるわけではないですが、美術館までの途中も楽しめる場所へ行く回数が減ることが少し残念です。
11月24日(金)
【黒板消し】
東京大学の研究グループが、黒板のように書いたり消したりできる新型表示装置を開発したとの報道を見た。黒板に描かれる文字はレーザー光が発光することで表示され、消す時は磁石を近づけると内部の構造が変化し光が消える仕組み。今後、大型化などの改良を経て実用化を目指すという。
ということは、学校の教室から黒板消しが無くなってしまう? 休み時間、黒板消し担当は、チョークで汚れた黒板消しをベランダへ持ち出して、「パンパン」と叩いたものだ。その時間になると時間校舎のあちこちから白い煙があがった。当日の風の流れを読み、チョーク粉が自分に降りかからないよう、思いっきり叩いていたあの頃が懐かしい。
その後、あまり効果のなかった黒板消し掃除機なるものが登場し、私が通っていた小学校ではベランダでの黒板消し掃除は禁止されたが、今の学校はどんな様子なのだろう。
チョーク粉を吸い込むと身体に毒だと昔から言われているが、黒板消し掃除担当を好んでやっていた私にとって、チョークも黒板消しも教室から姿を消してしまうのは、どこか少し寂しい感じがする。
11月27日(月)
【規制改革】
先日週末に床屋に行ってひげを剃ってもらっている時に突然とても当たり前のことに気がつきました。申し上げるのも恥ずかしいのですが「最近は男性も美容室に行くのだ」という事実です(最近ではなく以前からそうでしょう)。私は床屋に通っていますが当然いまどきの人は男性でも美容室に行きます。実は我が家の近所はとても美容室の多いところで、「こんな住宅街になんでこんなにたくさん美容室があるのだ?」と不思議に思っていました。多少の入れ替わりはあってもどこも商売を続けているところを見るとお客さんは来ているようです。私の固定観念では美容院のお客さんといえば女性だったのですが、男性も含めれば潜在顧客は2倍になるわけです。
床屋のご主人の話では、若い人は仕事として選ぶ時には理髪師より美容師志望の人が圧倒的に多いようですが、理髪師と違って美容師さんは職場の定着率が極めて低いのと、美容師の資格は取っても実際に仕事に就いていない人がとても多いそうです。そもそも「理容師」と「美容師」の資格を分ける必要があるのでしょうか?
安倍内閣の規制改革案の要望の一つに「美容院と理髪店を兼営できるように」とありました。大きなカテゴリーでは同じ商売なのに規制をかけて分けていたのは極めて官僚的な発想だったのではないでしょうか?美容院と理髪店の事だけではなく、より良い社会を目指すための規制改革という試みは、内閣が変わっても続けていったほうが良いと思います。
11月28日(火)
【スローキャリア】
以前勤めていた会社の同期から転職する際にとても役に立ったと紹介された本を書店で見つけました。タイトルは『スローキャリア―出世を急がない人のためのビジネス論』(高橋俊介著、PHP文庫)で、文庫版として最近出版された本です。
「スローキャリア」とは、出世を第一にせず、仕事のやりがいや価値観を重視した生き方のことで、上昇志向の強い生き方が「ファストキャリア」なら、キャリアアップ自体に価値を置かないのが「スローキャリア」です。
キャリアアップや組織で出世することだけに血道を上げ、本来のキャリアの目的から逸脱する上昇志向の強い人だけが「勝ち組」であるという考え方に疑問を投げかける内容となっています。
「自分にとって満足できる働き方とは何か。」「キャリアップとはどうことか。」等について、一般のキャリアアップ方法とは異なる視点で捉えていて、とても納得、共感できる内容でした。働くことの意義やキャリアに関して今まで自分が誤解していたことや疑問に感じていたことが本書を読んで解消できたと思います。
昨今、雇用問題や労働環境問題、勝ち組・負け組に象徴される格差問題等がマスコミで盛んに取り上げられる中、働くことに希望を見出せなくなってしまう人や会社で無理に上昇志向を持たされて勝ち組にならなければと常に焦りを感じながら日々を過ごしている人が少なくないのではないでしょうか。
そのように感じている人や上昇志向がそれほど強くはないが、仕事やキャリアにはできるだけ前向きに行きたいと考えている人、仕事に行き詰りを感じている人、あるいはこれから転職や就職活動をしようとされている人は、是非一読されることをおすすめします。きっと今後のキャリア形成の参考になると思います。
11月29日(水)
【モチベーション】
日経スポーツ面に「ピッチの風」というコラムがある。これは日経新聞社運動部の記者が担当されているコラムだと思うが、タイトルで分かる通り、主に「サッカー」に関する事が書かれており、毎回とても的を射た文章で大変気に入っているコラムである。
今朝の「ピッチの風」は【どんな試合も「大一番」】というタイトルで、今年もあと最終戦を残すのみとなった“Jリーグ”の優勝や下部リーグへの降格に絡んだチームの話しであった。読む度に何気なく“相槌”を打ってしまうが、特に今日は“モチベーション”について書かれてあった箇所が印象に残った。
“モチベーション”の意味はご存知のとおり「動機づけ」「刺激」「意欲」「やる気」などであるが、最近良く使われているこの言葉の意味は、主に「やる気」と訳した方がピッタリ当てはまると思う。使い方は、「モチベーションが上がる、上昇する、下がる、低下する、ある、ない」などであるが、“モチベーションが下がる”=「気分が乗る」「乗らない」という意味であり、コラムでは“プロならば絶対に口にしてはいけない”と警告している。そして、「気分が乗らない」とか「やる気が無い」という日本語を“横文字に化けることで平気でまかり通るようになってしまった・・・”とあり、まさに横文字で言われると、“おお!それは大変だ、○○君、大丈夫か?”なんて、つい優しくなりそうになるが、冗談ではない。
これは何もプロのスポーツ選手に限った事ではない。我々もお客様の資産をお預かりして運用している、この道においては“プロ”である。我々の仕事上では決して“優勝を狙う”という短期的な場面はないが、日々が“大一番”であることは間違いない。従って、「今日はモチベーションが低くて・・・」と吐く時点で「お客様に対して失礼な事」なのである。
当然この言葉は弊社社内では通じない。“だったら有休でも取って休んでいろ!”という事になるのである。※弊社の後輩達は今のところこの言葉を一度も使っていない。(念のため・・・)そして今日のコラムは「どこか優先順位が狂っている気がしてならない。」と結ばれている。
出来たら今一度、日経を開いて今日の「ピッチの風」をゆっくり読み返していただきたい。(後輩諸君は必ず読む事)そこには“モチベーションを上げる”ために何かとても大切な事が書かれているような気がするが・・・
11月30日(木)
【いいものを造る】
料理をつくるのに欠かせない醤油。ここはいいものを造るからと知人から醸造所を紹介してもらい、去年からそこで買っています。
東京あきる野市の秋川渓谷のそばにある醸造所で作られる醤油は、きれいな空気、水のある豊な自然の中で保存料や着色料を一切使わない、安心の「無添加醤油」です。コクがあって深みのある味は、他にはない日本の伝統の味を感じることができます。初めて口にしたとき、造っている所が違うと、醤油の味がこうも違うのかと、驚きました。
じっくりと時間をかけて醗酵熟成して作る醤油を、古くから続く伝統を守りコツコツ造り続けた老舗の醸造所は、醤油造りを創めて一世紀になろうとしています。

