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大須商店街の元気さに学ぶ
元気のある商店街
我が故郷の名古屋にとても元気のある商店街がある。70年代にはいわゆるシャッター通りであったが、その状態から急回復。骨董の町、パソコンの町、若者ファッションの町と姿を変え、成長を続けている。現在では大須カジュアルというファッションができるほどにぎわい、勢いがある。先日も近くに大型ショッピングモールができたが全く動じていない。
そこで、町がにぎわう原因とはなんだろうかと考えてみた。まず考えつくのは、ロケーションの良さ。確かに地下鉄も通っているし、繁華街の栄からも近い。しかし、そのような場所は名古屋には何ヶ所もある。元気をキーワードとしている自分としては、放っておくわけにはいかない。名古屋に帰ったときに、その秘密を探るべく話を聞いてみた。
歴史
この商店街は名古屋の中心地の程近くにある。戦前は映画館が軒を連ね、名古屋随一の繁華街として栄えていた。しかし戦後の復興土地区画整理事業により、人通りが分断。加えて、町の活気を支えてきた映画産業も斜陽化していった。次第に大須への人々の流れは途絶え、街は衰退の一途をたどった。そんな中、学生を中心
とした市民が祭りを行おうと持ちかけた。イベントは大成功、街は人でにぎわった。その成功から大須商店街は若手を中心に毎年祭りを重ねていくこととなった。
人の活性化
商店街のイベントのよくある姿は「祭りの日は人がたくさん来たけれど、翌日は元に戻ってしまった」というものである。最初は大須でも確かに一過性のイベントであったであろう。しかし、この町は祭りを人の元気に変えていった。
大須では、町の若手が祭りの実行委員長を持ち回りでやっていく。実行委員長を一年も務めると、運営の経験がたっぷり蓄えられる。また、住民、市や警察など様々なつながりが生まれてくる。なにより、一癖も二癖もある商店主達をまとめていくのだ。人格の鍛錬ができること疑いない。そんな人間が毎年生まれていく。
この祭りも10年をすぎると、実行委員長をやったことのある人間が10人を越すことになる。みんなお互いをよく知る、ともに共同作業を行った同志である。彼らは祭りにとどまらず、町を良くするアイディアを出し合い、その結束力で空き店舗を一掃するなど、商店街の住民や訪れた人々が過ごしやすい環境を作っていった。そのことで人の流れが戻り、現在の大須ができていったのだ。
人の縁
人のつながりから生まれたアイディアの一つが骨董市である。今では毎月18日と28日の日に行われており、いつも大盛況である。そのイベントは、祭りを始めて4、5年経った頃、ある一人の商店主の知り合いが骨董屋であったということから生まれた。勿論、町の若手も全面協力である。骨董市を始めてみると、骨董好きな人が結構集まってくる。また、骨董屋さんの同業もある程度は利益も出るので付き合ってくれる。ある時、骨董屋さんの一人がシャッターの閉まった店に目をつけた。長年放置されて賃料もかなり安くなった店である。「月数万円でいいなら倉庫代わりにもなるし、テナントを出そうか。」徐々に店が埋まった。そして店ができると、骨董市以外の日にもお客さんがぱらぱらと来るようになる。人が来るようになると、それを狙う飲食の店もできる。すると、その賑わいにひかれて、さらに人が来る。人の縁が起爆剤となり、街に賑わいが戻ったのだ。
大切なこと
イベントが永続的な人の流れにつながるだろうか。直接的にはつながらないだろう。だが、そこにはイベントを通じた人の成長があるのだ。それに、人のつながりも生まれていく。その結果として町が活気づき、お客さんが集まってくる。大切なことは何かといえば、「人が考え、行動し、つながっていく」ということ。それが人や地域を成長させ、大きな実りをもたらすのだ。