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私の「資産形成」を振り返る

戦後の焼け跡からバブル崩壊までをサラリーマンとしてフルに体験した。幸いにも勤めを続けられ、妻の協力もあって、退職時点で第二の人生用としてのささやかなものを準備することができた。

いまや昔のことはどんどん忘れてしまって憶えてないが、入社後10年位経ってから「社員貯金制度」が始まり、市中金利を若干上回る金利で、給料からの天引き貯金が出来るようになった。

この金利は、市中金利の変動につれて利率が変わるというものではなく、相当長期に亘って変わらなかったと思う。従業員の資産形成奨励のためであったのは言うまでもない。

月給とか賞与とかいうものは、一旦お金を手にすると、そのなかからいくらかのお金をとり分けて貯金するということは、実際問題なかなかできないものである。お金を貯めるには「天引き貯金」が一番確実と言われているので、早速これを実行した。金利も有利だったから、少しお金が足りなくなり、ちょっと引出そうかと思うときも、極力ガマンして引出さないようにした。

 

そして5~6年経ってある程度まとまった金額になったときに、住宅関係費などに使った。

 

当時は、長期投資などという言葉は使われていなかったように思うが、貯蓄で長期で有利なものとしては、「貸付信託(5年)」「利付金融債」くらいではなかったか。経理面に詳しい先輩に教えられて、天引き社員貯金以外に、賞与のなかから「貸付信託(5年)」を始めた。社員貯金は、年1 回の利息計算で利息が元金に繰入されるが、貸付信託のほうは、満期時に半年複利で利息計算されるので、当時の金融商品としては有利なものだったと思う。

 

そして、5年で満期になる毎に、元利合計で継続するというように、非課税枠を考慮しながら積立てを続けた。

 

日本経済も高度成長の軌道に乗り、株式市場も活発になって「社員持株制度」が始まった。社員貯金制度が出来てから10 年以上経っていた頃と思う。給料天引きで自社株を買って積立てていく制度である。「ドルコスト平均法」の原理が、説明書に述べられていたのを今でも憶えている。なにぶん月々の拠出額(天引)が僅かであり、それで購入できる株数も微々たるものだったが、自分の持株数が少しずつふえていくのを楽しむことはできたように思う。

しかし、これについては、一方の社員貯金とは違って、想定不能の株価というものが基礎になるだけに、5年なり10年なりでどれ位の金額や株数になるかは推測不能なことであり、月々の自分の持株に対する評価額を意識することも殆どなかった。それでも数年経って相当の株数になっており、その意識せざる貯蓄効果に、少々意外感を持ったものである。

銀行などの積立預金でも、証券会社で「累投」で株を買うのも、「ありがとうファンド」を定期定額購入するのも、みな天引き貯金感覚である。普通のサラリーマンが資産形成するには、「天引き貯金」が最適だと思う。

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