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ありがとうコラム

公的な資金で

確か最近もありましたが、公的な資金をもっと積極的に運用しようという話は、時折出ては消え、出ては消えを繰り返しているように思います。二年ほど前には「SWF(ソブリン・ウェルス・ファンド)」というものが流行って、日本もやったらどうかという議論が起きました。要するに国家予算でファンドを作って運用する、ということです。産油国のファンドなどが有名ですね。

先週出てきたのは総務大臣の発言で、公的年金で新興国にも投資をしてはどうかという話のようでした。言うまでもなく、私たちのファンドでも新興国経済の成長力に注目し、それを運用成果に取り込もうとしています。日本のような、どこから見ても経済的に成熟した国が、成長力のある経済に投資をしようというのは、ある意味ごく自然な考え方とも言えるでしょう。

ただ、公的な資金で少しリスクの高いものに投資するとなると、そのプロセスが心配です。世論や政治のプレッシャーに負けない運用体制が築けるでしょうか。日本は民主的な国です。民主的なプロセスで、かつ成果を上げることはできるのでしょうか。投資経験のある人には覚えがあるでしょうが、投資のタイミングというのは、全員が良いと思った時がピークで全員がダメだと思った時が底、というのはほぼ正しそうです。民主的な合議制というのはそこが問題です。

公的な資金で健全な運用を実現するには、結局投資に対する理解が広く浸透していくことが必要なのでしょう。個人で投資を行う時に、感情を抑えたり辛抱したりすることが重要なように、公的な資金で運用する時には、世論全体に同じことが求められるということかもしれません。

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