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ありがとうコラム

展望

山梨県の有効求人倍率が0.41になったとの報道を聞いて愕然とした。求人、求職のミスマッチがないことを前提に、100人の求職者に対して企業の採用予定者は41人だから、59人は失業ということになる。特に製造業での落ち込みが激しい。5割、7割の受注減と聞けば、誰しも頭を抱えたくなる。ただ、大手の素早い生産調整で、在庫は底を突いた感がある。

回復基調にあるようだが、消費者の購買力は弱い。従前の水準に戻すには、もう少し時間がかかりそうである。大手企業は、派遣切り等で人件費を固定費から変動費に変えることができた。だが、中小企業は固定費のままである。おいそれと首切りはできない。なぜなら、受注が戻った時に新人訓練から始めたのでは、対応できないことを長年の経験で知っているからである。

社員の理解と企業の体力を前提に、回復に要する時間との我慢比べとなる。経営者にとっては難しい舵取りだ。嘗ての不況の際、暇だから全員で工場の草取りをやった等という話も聞いた。その中で一人だけ違った発想の経営者がいた。彼は、まず社員に工場の清掃を命じた。整理整頓と製造設備の勉強をさせ、自前でできる修繕もさせ、機械をぴかぴかに磨き上げた。

即ち、来るべき再開に備え、準備万端整えたのである。実は、その経営者、製造関連知識を習得させるだけでなく、我々にも講師を依頼してきた。そう、コスト意識を持たせるために原価計算、即ち管理会計を易しく講義してくれというのである。この時の勉強が、後日役に立ったことは言うまでもない。受注が回復すると、粗利益率の上昇という形で成果をもたらした。

私は、この経営者から学ばせて貰った。ピンチはチャンス、苦しい時にどんな行動を取るかによって、将来展望が決まってしまう、ということだろうか。給料を払い遊ばせていても、将来に対する社員の不安を増幅させるだけ。その給料を先行投資と捉え、第三次産業革命ともいえる時代の変化に即応できる教育を施す。今こそ、他社との差別化を図るチャンスではないか。

さて、蛇足になるが、先月号で私は貿易依存度を示し、日本は内需大国である旨の解説をした。果たして、その後政府の発表した国内総生産(GDP)の落ち込みは、1~3月期の推計で年15.4%とでた。おかしくないか、輸出依存度16%の我が国が、輸出相当のGDPを失う計算だ。企業の早期回復を願うなら、消費者心理を冷え込ます輩どもを一掃せねばなるまい。

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