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ありがとうコラム

人口減少を止めるには、この方法しかない

日本はこれからどんどん人口が減っていく。われわれ国民も、ただ漠然と人口減を受け入れているようだが、このままでいいのだろうか。人口が少なくなれば、必然的にマーケットは縮小する。一方米国、フランス、英国はいまどんどん人口が増えている。

政府の中位推計では、日本は2046年に今の人口1億2800万人から1億人を割り込み、2065年には8000万人を下回ってくるという。そうなれば、さぞ電車の中は空き、いま交通渋滞の道路もさぞスイスイ走れるだろう。このようにうれしいこともある。ところが、だ。その頃には、国内市場は大幅に縮小し、日本経済の世界に占める地位も大きく下降しているだろう。

よく人口減の中で、経済成長を維持するために、日本は付加価値の高い製品を輸出したり、技術開発型の産業を振興したりする必要性が上げられている。そうする努力は当然だが、中国やインド、ロシアなど新興国が、これから急速に技術力を上げてくるであろうし、先進国との生産性を比較してみれば、すでに日本の労働生産性は、OECD加盟国の中で下位グループだ。グローバル経済の中で、激烈な競争が繰り広げられており、日本が他国と互角以上に戦うのは至難の業だ。

では、どう対処するべきか。人口を増やす以外に方法はないといっていい。人口減少が急速に進み、高齢者比率が増えるなか、たくさん食べようというのは無理があり、所得が増えない中、これまでの資産を食い潰し、いい物を食べ、いいものを買う気にもならないだろう。新たな消費を呼び込むのは、新たに買う人を増やすため、人口を増やすしかない。ではそれにはどうしたらよいか。

よく行われる議論として、働く女性の育児がしやすくとか、保育所を増やす、労働時間を減らすとか男性にも育児休暇を、3人生んだら助成金を増やすとかいろいろ対策が挙げられているが、はかばかしい効果は見えない。おそらく10年経っても大した効果は出ず、人口減をとめるまでにはならないだろう。これらすべてがいわば表層の解決策になっているからだ。本当に人口を増やそうとすれば、まず国の仕組みから議論する必要があると思う。

そこで、日本が真剣に考えなければいけないのは、移民の受入だ。日本人には移民という言葉に嫌悪感や違和感を持つ向きもあるようだ。南米への日本からの移民では、現地での苦難がよく報じられ、関東大震災では朝鮮人へのいわれない迫害が行われ、いわゆる人種差別的な空気が世間にあったことは否めない。また歴史的に見れば、江戸時代は鎖国が続き、そもそも外国人との交流という行為が日本人にとってはありえないことであった。これらの習慣が日本の文化あるいは日本人の思考形成として根付いた可能性がある。いわば日本人のDNAともなっていると考えるべきかもしれない。

ところで、皆さん、冒頭で挙げた、人口が増えている先進国3カ国の出生率をご存知だろうか。2003年の米国、フランス、英国、日本の出生率は、米2.04、仏1.89、英1.71、日本1.29である。私は英、仏あたりは日本とあまり変わらないのではと思っていたが、とんでもない。2065年には、人口で英国が日本を上回る見通しだ。では、これら3カ国の出生率はなぜこれだけ高いのか。そのわけは移民だ。移民というと、これらの国でメディア的にはさまざまな社会問題という面から取り上げられるが、人口増という面で実は大変重要な役割を果たしている。彼らの移民は、人口増加をもたらし、新しい消費者層を形成し、さらに彼ら母国の高い出産率に追随し、多産の傾向が強い。こうして、新たな消費が生まれ、マーケットは拡大し、労働市場の再配分が実現し、国内経済は活性化し、社会全体のパイは広がり、経済の成長が維持される。

グローバル化が進むということは、もの、金とともに人も動くということだ。この視点を日本人は見落としている。新興国が急速に存在感を示し、先進国がこのように国の形をつくりつつある中、日本が長期にわたり、持続的経済成長を図るためには、移民を受け入れるという国家的意思決定、国民的コンセンサスが必要な時期に来ていると思う。

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