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ありがとうコラム

潮流

今流行の格差社会というフレーズは、反競争原理の意味合いで取り上げられているようである。日本は長年掛かって世界に類を見ない、社会主義国家を実現した。一般論では、国民主権及び私有財産性を認めているので、資本主義国家といえる。しかし、強力な官僚指導体制の下に、税制をコントロールしながら、再分配機能を駆使して可処分所得の格差を小さくしてきた。

通常、社会主義というと共産党支配国家が、人間の習性「サボタージュ」を解決するため、競争原理を少しずつ許容するという修正を加えながら理想的バランスを実現したものと考えられている。一方、我が国は資本主義に規制を加えながら社会主義を実現した。競争させるが、税制によって可処分所得の格差は認めないというもの。結果は同じでも、成り立ちは対局にある。

競争原理を否定しなかったから、皆一所懸命に働く。ただ、それを放置しておくと、富めるものと貧しいものが生まれ、階級闘争が始まってしまう。そこで、税制の出番である。超過累進課税の採用により、可処分所得の格差は小さくなる。国家財政は潤い、社会基盤は整備できた。その結果、豊かな社会が実現した。昭和の時代は、この恩恵を大いに謳歌させて貰った。

旨く行き過ぎると、人は油断する。優秀な官僚も承知はしていただろうが、ついつい日本国は、放漫経営となってしまった。極め付きはバブル、「驕れるもの久しからず」とは、よくいった。泡が弾けてみれば、残ったものは国家の莫大な借金と実体経済の崩壊。さあ、どうやって立て直す、マイナスからの出発。あれこれ悩んだあげく、市場開放だ競争原理だときた。

失われた10年、この間、競争原理と国家の支援の下で大企業は復活した。さて、次はどうしよう。本来ならば、中小企業が良くなるまで待ってあげたい。しかし、国の借金が膨らむばかり、そろそろ増税に踏み切らないと。これが、業務主宰役員報酬の損金不算入問題等である。規制強化が始まった。現在の税制改正の根拠を問われても、残念ながらこんな説明しかできない。

 

※この文章は上野会計事務所さんが発行している冊子から転載させていただいております。

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