「郵政民営化」の先に
今回の衆議院議員選挙は自民党の圧勝に終わりました。構造改革の目玉として「郵政民営化」を争点にした小泉純一郎首相の作戦勝ちと言えます。しかし、構造改革は郵政民営化だけではありません。
今年6月に「経済財政運営と構造改革の基本方針2005」(骨太方針)が発表されましたが、そこには「おおむね1年以内をめどに、政府支出規模の目安や主な歳出分野について中期的目標の在り方、歳入面の在り方を一体的に検討し,改革の方向についての選択肢・改革工程を明らかにする」と記載されています。
そして、目指す目標を「小さくて効率的な政府」とし、医療・福祉制度改革、政府系金融機関の改革、国と地方財政の三位一体改革、公務員の総人件費改革等に取り組み、財政再建に向けて努力する方針を打ち出しました。最終目標は1000兆円を超す債務を持つ国・地方の「財政再建」と言えましょう。
日本国の2005年度予算は、一般会計82兆円に対し税収が44兆円、税収不足の38兆円は国債(借金)で補っているのです。家計に例えれば、月収は44万円しかないのに82万円の生活をしているのと同じです。穴埋めに使った借金の返済は、子供や孫に付け回している状況です。
今の生活を続けていけば「破産宣告」を受けるのは時間の問題です(国なら国家財政の破綻)。財政再建は歳出削減か税収増(増税)しかありませんが、「歳出削減には限界があり、財政再建には増税が不可避」と言う学者もいます。
小泉政権誕生以降、財政支出の伸びは止まりましたが、税収が伸びず借金である国債発行残高は増え続けていることから、増税は現実味を帯びてきました。法人税率は国際的にも一定の水準に収束しており、他国より高くすれば日本企業の国際競争力に影響が及ぶことになるので、個人所得税と消費税の増税になる可能性が高いと思います。ヨーロッパ諸国ではほとんどの国が10%超の消費税を実施している現状を鑑みると消費税率は10%にはなるでしょう。
少子高齢化による経済成長率の鈍化、増税による個人の可処分所得の減少小さな政府化による自己負担の増加・・・私たちは、これから「自助努力」「自己責任」という精神を持たなければならない時代を迎えようとしています。
05年9月15日付の長崎新聞に有名な経済評論家である田中直毅氏が「郵政民営化で投資社会を」という記事の中で、
「退職した後に約20年の人生が残る。今の制度では、現役中に支払った年金拠出金を十分に増やして老後に受け取ることは難しい。それを解決するには投資資金が、しっかりした尺度で運用され、付加価値が生まれる分野に配分される仕組みを作らなければならない」
と話されています。
銀行や郵便局が投資信託商品を取り扱う時代になりました。激変する時代の中、私たちは全てにしっかりした選択眼を養う必要があります。


